米連邦準備理事会、資産縮小開始を決定

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米連邦準備理事会(FRB)は9月20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2008年の金融危機後の量的緩和政策を完全に終結し、大幅に膨らんだ保有資産の縮小を始めると決めた。

今回は利上げは見送り、フェデラルファンド(FF) 金利の誘導目標は年1.00~1.25%を据え置いた。但し、12月に利上げする可能性が強い。

金融市場には利上げと保有証券圧縮の二重の引き締め圧力がかかることになる。

FRBは6月14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で FF金利誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、1.00%~1.25%のレンジにすることを決定、年内にあと1回の利上げを見込んだが、同時に、4兆4600億ドルまで膨らんだ保有証券縮小計画について詳細を示した。

2008年から2014年10月までの量的緩和で、米国債や住宅ローン担保証券を大量に買い入れ、保有する資産量が9千億ドルから4兆4600億ドルまで膨らんだ。
2014年の量的緩和終了後も、満期を迎えた債券や証券への再投資を行い、資産量を維持し続けてきた。

今後は、保有債券を市場で売却するのではなく、満期を迎えた債券への再投資を減らすことで資産を縮小する。
また、当面はゆっくりと縮小していくこととし、当初の縮小額は100億ドル(米国債が60億ドル、住宅ローン担保証券が40億ドル)とする。

2017/6/15 米、3カ月ぶり利上げ 

今回の決定で、FRBは10月から償還の時期が来た国債などを再び買い入れる額を少しずつ減らし、年内の3か月は1か月当たり100億ドル(米国債が60億ドル、住宅ローン担保証券が40億ドル)を上限に資産規模を縮小する。

その後は3か月ごとに買い入れ額を減らし、1年後には1か月当たり500億ドル(米国債が300億ドル、住宅ローン担保証券が200億ドル)を上限に資産規模を縮小していく。資産縮小は年6000億ドルとなる。

来年以降の政策見通しでは、会合参加者の中心シナリオが2018年は3回、2019年が2回の追加利上げとなった。
利上げが打ち止めとなる「政策金利の天井」を2.75%と見込み、2019年から2020年にかけて利上げを停止する可能性も示唆した。


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欧州中央銀行も量的緩和の縮小を検討しており、ドラギ総裁は10月の理事会で具体策の大枠を決定する考えを表明している。

それに対し、日銀は9月21日の金融政策決定会合で、短期金利をマイナス 0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導する金融緩和策(長短金利操作)の現状維持を決めた。緩和策を粘り強く続けて物価目標の達成をめざす。


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