中国人民銀行(中央銀行)は9月30日、一定の条件を満たした銀行に限り、預金準備率を2018年から最大1.5%下げると発表した。
中小零細企業、農業、貧困対策向けの融資を拡大した銀行が対象となる。10月の共産党大会を控え、習近平指導部が社会的弱者に配慮する姿勢を訴える狙いとみられる。
中小零細企業、農業、貧困対策向けの融資を拡大した銀行が対象となる。10月の共産党大会を控え、習近平指導部が社会的弱者に配慮する姿勢を訴える狙いとみられる。
大手金融機関の標準の預金準備率は現在17%だが、中小零細などへの貸出残高(またはその増加額)が、全体の貸出残高(同)に占める比率が2017年に1.5%になった銀行は0.5%、10%に達した銀行は1.5%それぞれ準備率を下げる。2017年通年の実績で下げ幅を決める。
四大国有銀行など大手や中堅銀行はすべて、地方銀行は全体の9割が準備率下げの対象になると見られ、事実上の金融緩和ともいえる。
人民銀行は2016年3月に準備率を下げて以来、金利、準備率ともに据え置いている。
預金金利は1年定期のもの
中国は、シャドーバンキングの膨張に歯止めをかけ、金融部門の潜在的なリスクの芽を摘むため、2017年初からは短期金融市場の金利を高めに誘導し、引き締め気味に金融政策を運営している。
今回の措置が金融緩和と受け取られると、いったん収まった人民元安が再燃する恐れもあるため、人民銀行は「金融緩和ではない」とわざわざ強調した。
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