新第一塩ビを運営するトクヤマは10月13日、同日付で日本ゼオンの新第一塩ビ持株全てを取得したと発表した。
これにより新第一塩ビの出資比率は、トクヤマ 85.5%、住友化学 14.5%となる。
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新第一塩ビは1995年7月に、日本ゼオン(水島工場、高岡工場)、住友化学(千葉工場、愛媛工場)、サンアロー化学(現トクヤマ、徳山工場)のPVC事業を統合してスタートした。
これら3社と呉羽化学(現クレハ)は塩ビ共販会社の第一塩ビ販売のメンバーであったが、呉羽化学は参加しなかった。
出資比率は、日本ゼオン 40%、住友化学 30%、サン・アロ- 20%、トクヤマ 10%で、当時の能力は430千トンであった。
2006/9/14 日本のPVC業界の変遷と現状-2
その後、1999年に決めた再構築計画で、日本ゼオンと住友化学が実質的に退き、経営権がトクヤマに移った。
出資比率は トクヤマ 71.0%、日本ゼオン 14.5%、住友化学 14.5%となった。
再構築計画の一環として、2000年3月末に水島工場(汎用PVCを製造)を停止した。
日本ゼオンは同時に水島の塩ビモノマー製造の山陽モノマー(日本ゼオン 55%、旭化成 25%、チッソ 20%)も操業を停止し、解散した。
新第一塩ビは2008年3月末に老朽化した高岡工場(ペーストを製造)を停止した。
同社の2007年12月末の能力は292千トンとなっていたが、高岡工場(ペースト)の40千トンが停止、逆に愛媛工場(ペースト)を7千トン増強したため、3月末の能力は259千トンとなった。
2008/4/5 新第一塩ビ、高岡工場を停止
トクヤマは2014年10月、塩化ビニル事業の抜本的な収益構造の改革を行うため、2015年9月末を目処に新第一塩ビの千葉工場の生産を停止すると発表した。
競争力のある徳山工場へ生産を集約することによる製造出荷体制の再構築を実施する。
2014/11/5 トクヤマ、新第一塩ビ千葉工場を停止
千葉工場(汎用塩ビ 年産80,000トン)の生産停止に伴い、新第一塩ビの生産体制は、汎用塩ビ生産の徳山工場(145,000トン)、ペースト塩ビ生産の愛媛工場(30,000トン)、合計 175,000トンとなっている。
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日本ゼオンは、水島工場と高岡工場の停止で、元の同社のPVCプラントはすべて無くなったが、新第一塩ビへの出資は残していた。
今回、持株をトクヤマに譲渡し、名実ともに塩ビ業界から離れることとなる。
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