Yousef Al-Benyanとのインタビューを報じた。
石油化学原料も2015年12月29日から大幅に値上げされた。
メタンの価格はこれまでの100万BTU当たり75セントから1ドル25セントに、エタンは75セントから1ドル75セントに引き上げられた。
(米国の2017/9 のエタン価格は100万BTU当たり2ドル98セント)2016/1/4 サウジアラビア 10兆円超の赤字予算、石化原料も値上げ
2. 統合について
SABICはすでにその方向に進み始めている。
SABICは本年8月に、Shell とのJVの SADAF の持ち分(50%) を820百万ドルで買収した。
SADAFはサウジのAl-Jubail地区にエチレン(年産110万トン)とエタノール(30万トン)、SM(110万トン)、MTBE(70万トン)、電解(ソーダ 67万トン)、EDC(84万トン)の6つのプラントを持つ。
2017/1/25 Shell、サウジのSABIC とのJV持ち分をSABIC に売却
また、Jubail で隣接し、原料や管理、メンテナンスを共有する肥料3社の統合を検討している。
3. 海外事業について
SABICは、北米・中国・アフリカで、スぺシャリティとコモディティの両分野で買収を検討している。(詳細は拒否)
SABICはまた、石油価格の変動の影響を避けるため、グローバルに原料の多様化を考えている。
中国では2つの計画があり、本年末までに訪中し、計画を確定させたい。
① Sinopecとのポリカーボネート計画
SABICとSinopecは2011年5月17日、天津の両社の50/50JVのSinopec SABIC Tianjin Petrochemical Company (SSTPC)でポリカーボネート(PC)を生産すると発表した。
能力は年産26万トンで、Sabic Innovative Plastics のホスゲンと溶媒塩化メチレンを使わない最新技術を使用する。
2015年の完成を目指す(としていたが、最終合意がされていなかった模様)
2011/5/26 SABICとSinopec、天津でポリカーボネート生産
② 神華寧夏煤業集団と中国でのCoal-to-chemicals 計画
SABICは2016年5月30日、神華寧夏煤業集団 (Shenhua Ningxia Coal Industry Group) との間で中国で石油化学コンプレックスを建設する協定書にサインしたと発表した。
SABICは声明で、寧夏回族自治区での新規のCoal-to-chemicals コンプレックス計画で、神華が供給する石炭を利用出来るメリットがあり、SABICの原料ソース多様化に役立つとしている。
2016/6/4 SABIC、神華寧夏煤業集団と中国での石油化学(石炭化学)計画で合意
③ AramcoとのOil-to-chemicals JV
SABICと Aramco は既に原油から化学製品を生産する投資額200億ドル以上のJV構想を明らかにしている。
原油やガソリン・ディーゼルの価格が石油化学品の価格よりも下がっているため、原油をガソリンにするより、原油から石油化学品を生産しようとするもので、Arabian Light やExtra Light 原油を原料とする。
日量40万バレルの原油蒸留設備や水素化などの原油処理設備とクラッカー、PE、PP、ブタジエンなどの設備を建設する。
立地としては、当初はYanbu かJubail か、Aramco/Dow JVのあるSadara かとしていた。
この計画はCOTCと呼ばれる。(Crude Oil-to-Chemicals の意味)
CEOは今回、この計画の立地が紅海沿岸のYanbuに決まったと述べた。「これは戦略的な立地だ。アフリカや欧州へのポジションを強化できる。Jubail もまだ成長のオプションを持つが、設備を一か所に集中しない方がよい」と述べた。
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