EUは11月22日、東海理化、タカタ、丸高、豊田合成、およびスウェーデンのAutoliv の5社に対し、日本の自動車メーカー向けのシートベルト、エアバッグ、ハンドルでのカルテルに参加したとして合計34百万ユーロの制裁金を課したと発表した。
5社はカルテル参加を認め、示談に同意した。
摘発されたカルテルは、トヨタ向けシートベルト、トヨタ向けエアバッグ、スズキ向けシートベルト、ホンダ向けのシートベルト・エアバッグ・ハンドルのカルテル。
5社は欧州経済領域(EEA:EU +EFTA加盟のアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー)にプラントを持つ自動車各社への部品供給でカルテルを結んだ。シートベルト、エアバッグ、ハンドルの供給について価格や市場について談合し、重要な情報を交換した。談合はEEA外の主として日本で行われた。
最初のカルテルは東海理化がカルテルの存在を伝え、15百万ユーロを免除された。
残り3つのカルテルでは、タカタがカルテルの存在を伝え、合計74百万ユーロを免除された。
他社も協力の程度により減額されたほか、全社が制裁に同意し、「同意決定手続 (settlement procedure)」による制裁金10%の減額を受けた。
同意決定手続は2008年6月30日に制定され、同年7月1日から運用された。
裁判所への控訴による長期の争いを避け、他の事件の摘発に要員を向けることが目的。
各社の制裁金の内訳は次の通り。
数字は順に、Leniencyによる減額率、同意決定手続きによる減額率、制裁金(千ユーロ)
トヨタ向け シートベルト |
トヨタ向け エアバッグ |
スズキ向け シートベルト |
ホンダ向け |
合計 | |||||||||
東海理化 | 100% | 10% | 0 | 46% | 10% | 1,818 | 1,818 | ||||||
タカタ | 50% | 10% | 12,724 | 100% | 10% | 0 | 100% | 10% | 0 | 100% | 10% | 0 | 12,724 |
Autolive | 30% | 10% | 265 | 50% | 10% | 4,957 | 50% | 10% | 2,829 | 8,051 | |||
丸高 | 0% | 10% | 156 | 156 | |||||||||
豊田合成 | 28% | 10% | 11,262 | 11,262 | |||||||||
合計 | 13,145 | 16,219 | 1,818 | 2,829 | 34,011 |
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自動車部品カルテルは各地で摘発されている。
EUは既に、下記の摘発を行っている。
2016/2/1 EU、自動車部品カルテルで日本メーカーに制裁金
2017/3/11 EU、自動車用エアコンカルテルで制裁金
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