国際石油開発帝石、アブダビの上部サクム油田の能力引き上げ、権益期限延長

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国際石油開発帝石(INPEX) は11月14日、アブダビの上部ザクム油田の開発・生産を行っているINPEXとアブダビ国営石油(ADNOC)、ExxonMobil の3社が、油田の生産能力を日量100万バレルまで引き上げる計画に合意したと発表した。

2014年1月に同油田の権益期限が2041年12月31日まで延長されているが、今回の合意により、2051年12月31日まで更に10年延長された。

3社は2006年より、本油田上の人口島をベースとした革新的な開発方式と大偏距掘削技術(井戸を垂直に掘削した後、水平方向に遠くはなれたターゲットに向かって掘削)を用いて、本油田の生産能力を日量50万バレルから75万バレルに引き上げるための検討を行っている。

浅海に4つの人工島を建設し、沖合に実質的な陸上環境を構築することで、人工島に12基の掘削リグ、掘削・生産機材、オフィス・住宅施設を備えるもの。

100万バレルへの引き上げでは、人工島からの大偏距掘削技術を引き続き使用する。

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日本の原油輸入量(2015年で日量337万バレル)のうち、アブダビを主とするUAEに25%を依存し、サウジアラビア(33%)に次いで2番目に多い。
中でもアブダビ海上油田は日本が持つ油田権益の約4割を占める。

これらの油田の権益は次々と期限が到来する。


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アブダビ石油(コスモ 64.4%、JX石油開発 32.2%、関電、中電)の権益は2012年に45年間の期限を迎えたが、新利権協定が発効した。

アブダビ石油が同国において操業中の既存3油田(ムバラス油田、ウルアルアンバー油田およびニーワットアルギャラン油田)の利権が今後30年にわたり更新されるとともに、既存3油田と同程度の生産規模が見込まれる既発見未開発の新鉱区(ヘイル油田)について、新たに30年の権益が確保された。

2009/1/23 アブダビ石油の油田権益 20年延長へ


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石油公団の子会社であったジャパン石油開発(JODCO)はADMA鉱区に権益を持つが、Inpexは2004年5月にJODCOを100%子会社とした。

同鉱区の油田の概要は下記の通り。

契約地域(鉱区)

権益比率

INPEX ADNOC その他
ウムシャイフ油田 12% 60% BP    14.67%
TOTAL  13.33%
ナスル油田
ウムルル油田
下部ザクム油田
上部ザクム油田 12% 60% ExxonMobil 28%
ウムアダルク油田  12%
(→40%)
88%
サター油田 40% 60%

このうち、上部ザクム油田は、上記の通り 2041年12月31日まで延長されているが、今回の合意により、2051年12月31日まで更に10年延長された。

ウムアダルク油田とサター油田については、世耕経済産業相が2017年1月15日、アブダビ国営石油会社(ADNOC)のCEOと会談し、両油田(合計生産量:日量約3.5万バレル)の権益期限の延長(25年間)とウムアダルク油田の権益比率増(12%→40%) に基本合意した。

2017/1/18 アブダビ2油田の権益25年延長


問題は残る油田で、2018年3月に期限がくるが、生産コストが安く探鉱リスクもないことから、BPやTOTALが比率拡大を狙うほか、中国も新規参入を目指しており、今後、激しい国際競争が予想される。

ADNOCは8月7日、他数(more than a dozen )の相手と交渉中であると発表した。

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なお、国際石油開発帝石は2015年4月27日、アブダビ首長国の陸上のADCO鉱区の5%の参加権益を取得し2015年1月1日からの40年間を契約期間とする利権契約を同国政府及びアブダビ国営石油(ADNOC)と締結したと発表した。

ADCO鉱区は同国陸上に位置する11の生産油田と4つの未開発油田から構成されており、本鉱区全体で日量約160万バレルの原油が生産されている世界でも有数の巨大油田群。

1)SE Hub (South East Asset)

Asab 油田 
Sahil 油田 
   
Shah 油田    
Qusahwira 油田
Mender 油田  開発中、2017年生産開始予定

2)Bab Asset

3)Bu Hasa/Huwaila/BQ Assets

Bu Hasa 油田  
Huwaila 油田   
Bida Al-Qemzan (BQ) 油田 

4) North East Bab (NEB)

Dabbiya 油田
Rumaitha 油田
Shanayel 油田


2015/4/29 国際石油開発帝石、アブダビ首長国の陸上ADCO鉱区の権益取得  

アブダビの陸上油田は1939年以降、外国の石油会社に採掘権を与えられてきた。
1971年の独立を機に、Abu Dhabi National Oil Company
(ADNOC)が参加し、Abu Dhabi Company for Onshore Oil Operations (ADCO)を設立した。

当初 ADNOCの出資比率は15%であったが、1974年に60%となった。
他のメンバーは以下の通り。

BP、Shell、Exxon Mobil、Total  各9.5%、計38%
PortugalのPatex Oil and Gas 2% (
Mr. 5% と呼ばれた石油商人 Calouste Gulbenkian の権益を引き継ぐ)

これら各社の権益は2014年1月10日に期限切れで失効した。

新しく40%分の40年間の権益が外国企業に与えられることとなり、各社が応札した。

2015年1月1日付けでフランスのTotal が10%の権益を取得した。

上記の通り、2015年4月27日に国際石油開発帝石が5%を取得、その後、韓国のGS Energyも 3%を取得した。

BPは2016年12月17日、アブダビ政府とアブダビ国営石油(ADNOC) との間で、BPがADCOに10%の出資をすることと、ADCOが保有する陸上権益の10%を取得する契約に調印したと発表した。
見返りにアブダビ政府はBPに2% 出資する。

2016/12/28 BP、アブダビの権益取得、見返りにアブダビ政府がBPに出資

今後ADNOCは海外パートナーに割り当てられた40%の権益の残り12%分について、パートナーを探す。

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