香港のSP Chemicals Holdingsの子会社SP Chemicals (Taixing) は 江蘇省泰興市で 中国初のエタンクラッカー計画を進めているが、11月17日付化学工業日報はその現状を報じている。
それによると、当初能力はエチレン年産65万トンの計画であったが、実際は 2割増しの78万トンで、2019年第1四半期の稼働を予定している。
エチレンは半量を自社で引き取り、残りは周辺企業へ供給する。
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SP Chemicals (Taixing) は2016年3月、Technip SAとの間でエタン原料のエチレンプラント建設の技術ライセンス、設計の契約を締結した。
江蘇省泰興市に年産65万トン(当初計画)のエチレンプラントを建設するもので、北米の安価なエタンとプロパン(合計年110万トン)を輸入し、原料とする。
Technipは同社のエチレン技術、プロセスデザインのパッケージ、技術サービス、機器を供給する。
Technip はSP Chemicals に対し、Badger法のエチルベンゼン/スチレンモノマー技術を提供して以来、親密な関係にある。
SP Chemicals (Taixing)は中国で4番目に大きいクロルアルカリメーカーで、イオン交換膜法では最大のメーカー。
SP Chemicalの概要は次の通り。
1990/11 シンガポールで Panasia Investment (汎亞控股)設立
1995/12 Asiawide Chemicals (汎亞化学)と改称
2003/2 Singpu Chemicals と改称
2005/4 SP Chemicalsと改称
1995/12 中国に100%子会社 Singpu Chemicals Industries (Taixing) を設立
中国名 新浦化学(泰興)
2005/4 SP Chemicals (Taixing) と改称
中国名 新浦化学(泰興)
現在の生産品目と能力は次の通り。(単位:千トン)
苛性ソーダ 750 当初 150千トン 塩素 660 当初 132千トン アニリン 135 当初 45千トン VCM 500 Solvay技術 当初能力200千トン 2007年完成
スチレンモノマー 300 2013年生産開始
120MW のコジェネプラントを持つ。 (2005年に60MW、その後倍増)
同社の変遷については下記を参照。
2007/10/16 中国のSP Chemicals、スチレンモノマーに進出
同社は2007年4月にベトナムのPhu Yun 省との間で、同省のHao Tam-Vung Roに石化コンプレックスを建設する覚書を締結した。
12億ドルを投じて、クロルアルカリ、アニリン等の工場を建設する計画で、詳細はFSの結果次第としていたが、その後の報道はない。
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