習国家主席と文大統領は11月10、11日にベトナムで開かれるAPEC首脳会議に合わせ、会談することでも合意した。
中国は、11月8日からのトランプ米大統領の中国訪問を前に、在韓米軍へのTHAAD配備問題が議題化しないよう棚上げを図ったものとみられる。
但し、中韓両政府の発表文には、(1) 米国のミサイル防衛体系構築、(2) THAADの追加配備、(3) 日米韓軍事協力について中国が自らの立場を表明したことも明記された。米韓、日米韓の軍事協力の深化に反対する姿勢を明確にした。
これに対し、韓国の外相は10月30日に国会で、米国のミサイル防衛体系構築に参加しないことやTHAADの追加配備の計画がないことを明言し、日米韓の軍事協力については「北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する抑止力強化の範囲で進め、軍事同盟には発展させない」と述べた。
今後、中国で続く韓国企業などへの「報復」の影響がどうなるかが注目される。
韓国系スーパー「ロッテマート」が当局による営業制限を受けて中国事業からの撤退を決めたほか、韓国・現代自動車も激しい不買運動にさらされている。
2017/9/21 韓国ロッテマート、中国から撤退へ
その中で、中国の成都市は10月30日、ロッテ成都複合団地の第2期工事に着工するための許可証を発給した。ロッテが11月3日に明らかにした。
THAAD 報復措置で10カ月にわたり中断していたが、ロッテは基礎工事を再開し、間もなく骨組みの工事も始める。
ロッテ成都複合団地は、66千平方メートルの敷地に1兆ウォン(約1023億円)を投じ、マンション団地(第1期)とホテル・デパート・ショッピングモール・映画館など商業施設(第2期)を建てるという大規模プロジェクト。建物の延べ床面積は54万平方メートルに達する。
およそ1400世帯分のマンションを建てる第1期事業は終わったが、商業施設建設に向けた2期工事は、ロッテがTHAAD基地の敷地を提供したというニュースが伝えられる中、昨年末に中断された。
ロッテは今回の成都の工事再開を起点として、ほかの事業も間もなく正常化するものと期待している。
ロッテが3兆ウォン(約3068億円)を投じて遼寧省瀋陽市で建設を進めている「瀋陽ロッテタウン」プロジェクトもその一つ。
瀋陽ロッテタウンは、大型ショッピングモール、ホテル、テーマパーク、住居団地などを造成する大型プロジェクトで、2014年にまず第1期としてロッテデパート、ヤングプラザ、映画館をオープンさせた。
第2期として、マート、モールと室内テーマパークであるロッテワールドの2018年完工を目指していたが、昨年12月に工事が中断した。
瀋陽市当局は安全措置が不十分なことなどを理由に挙げたが、THAADの敷地提供に伴う報復措置だった、というのが一般的な解釈である。
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