Bain Capital PartnersがDowのスチレン系事業を買収して設立したTrinseo(旧称 Styron )はこのたび、Latexを生産している中国の張家港工場でMAGNUM™ ABSの生産を開始した。11月21日に式典を行う。
能力については明らかにしていない。
中国で生産されているABSと比較し、高品質のMAGNUM™ ABSを中国で製造、販売する計画の検討は2015年に開始され、2016年10月に発表された。
MAGNUM™ ABSは連続塊状重合方法で生産され、製品の安定性が高く、品質も向上する。射出成型、押出成形などのコスト低減が可能としている。
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スチレン系の大手であったDowは2010年3月2日、Styron DivisionをBain Capital Partnersに16.3億ドルで売却する契約を締結したと発表した。ポリカーボネートや合成ゴムも含まれる。
Dowは2007年にChevron PhillipsとのSM/PSの50/50JV、Americas Styrenicsを設立し、米国と南米のPS工場を拠出したが、この持分も売却対象に含まれる。
Bain Capital Partnersは買収した事業会社をとりあえずStyron とした。
住友ダウのDow Chemical 持ち分も2010年10月にStyronに売却され 、「住化スタイロンポリカーボネート」と改称した。
なおDowは、韓国のPCのJV LG Dow Polycarbonate についてはStyronへの売却ではなく、2010年10月にLG Chem に売却している。
2010/6/18 ダウ、スチレン系事業売却完了
StyronはSMやPS以外にも事業を展開するため、2011年末に社名をTrinseoと改称した。
TrinseoはIntrinsic (「固有の」、「本質的な」、「内在する」)から取った。
同社の製品や技術が、需要家の製品にintrinsic な役割を果たし、需要家の成功に不可欠なものになるという意味。なお、PSの商標は従来通り Styron を使用する。
住友化学と Trinseo は2017年1月26日、両社のポリカーボネートの50/50合弁会社「住化スタイロンポリカーボネート」について、住友化学が Trinseoの持ち株を買い取る契約を締結した。
2017年1月31日に取引完了の予定で、社名を「住化ポリカーボネート」と改称する。
今回の住友化学への売却については、Trinseoが環境に優しいタイヤに経営資源を集めることとし、住友化学に持ち掛けたとされた。
しかし、一方で中国でのABS新設を検討していたこととなる。
2017/1/31 住友化学、ポリカーボネートJVを100%子会社化
現在のTrinseoの製造拠点は下記の通り。
PS
ABS
SANPC SM Latex 合成ゴム 機能樹脂 USA Midland, Michigan 〇 Dalton, GA 〇 Midland, MI 〇 〇 Brazil Guaruja 〇 Limao 〇 台湾 新竹 〇 〇 中国 張家港 ABS 〇 香港 〇 韓国 蔚山 〇 インドネシア Merak 〇 〇 ベルギー Tessenderio 〇 ドイツ Boehlen 〇 Schkopau 〇 〇 Stade 〇 Rheinmuenster 〇 オランダ Temeuzen 〇 〇 〇 〇 フィンランド Hamina 〇 イタリア Livomo 〇 スウェーデン Norrkoping 〇
合成ゴム:E-SBR、S-SBR、Lithium-Butadiene Rubber、Nickel-Butadiene Rubber機能樹脂:自動車用プラスチック、消費財(Electrical、Lighting、Medeical Devices、Consumer Electronics)
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