韓国公取委、2年前のサムスン物産と第一毛織合併での株式売却命令を遡及修正

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韓国公取委は12月21日、2年前のサムスン物産と第一毛織の合併過程では処分不要としていたサムスンSDIが所有するサムスン物産の株式約400万株を全て処分するよう求める是正命令を下すと発表した。


2015年9月1日、第一毛織とサムスン物産(Samsung C&T) が合併し、新しいサムスン物産(Samsung C&T) となった。

ヘッジファンドのElliot Managementなどが反対したが、7月18日の臨時株主総会で承認した。

新しいSamsung C&T はSamsungグループ支配構造の事実上の持ち株会社となる。

李一族 → Samsung C&T → 三星生命 → 三星電子

2014/12/2 Samsung Group の持株会社 第一毛織の上場 

合併前に2つの循環出資があった。

サムスン物産→サムスン電子→サムスンSDI→サムスン物産
サムスン生命→サムスン電子→サムスンSDI→第一毛織→サムスン生命

循環出資はA社→B社→A社という具合に系列会社で株式の持ち合いを行うことで、グループのオーナーが少ない持ち株でグループ全体を支配することができるため、政府は新規の循環出資を禁止している。

サムスン物産と第一毛織の合併に際し、サムスンSDIが保有する旧サムスン物産株404万株と旧第一毛織株500万株とが問題になった。サムスンSDIによる支配力が強まるためである。

公取委は当時、サムスンSDIが保有していた旧サムスン物産株は既存の循環出資、旧第一毛織株は新規の循環出資とみなし、後者のみ売却を命じた。

これについて今回、前者についても売却を命じたもの。

公取委は今回の措置について、「誤った決定を是正したものだ」と強調している。
2年前に公取委の実務担当者はサムスンSDIが保有株式を全て売却すべきだとの意見を具申したものの、幹部がサムスン側の働きかけを受け、半数のみ売却を命じる誤った決定が下されたとしている。

これについて財界は、「政権交代で以前の決定が覆るとすれば、政府を信頼することはできない」と反発している。

 

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