ヒトスジシマカ(Asian tiger mosquito:学名 Aedes albopictus)のオスに、昆虫に感染する細菌「Wolbachia」に特殊処理した ZAP strainを感染させ、自然界に放す。
蚊は、メスがヒトを刺すが、オスは刺さないため、ヒトへの害はない。
このオスの蚊(ZAP Males)は自然界のメスと交尾して卵を産んでも、オス側からの染色体がうまく生成されず、孵化しない。
この繰り返しで蚊の群れを減らすことができる。
他の昆虫や、他の種類の蚊には影響を与えないという。
今回の承認は5年間の期限付きで、ワシントンDCと、California、Connecticut、Delaware、Illinois、Indiana、Kentucky、Massachusetts、Maine、Maryland、Missouri、New Hampshire、New Jersey、Nevada、New York、Ohio、Pennsylvania、Rhode Island、Tennessee、Vermont、West Virginiaの20州での使用を認めた。
これ等の州は、フィールドテストが行われたKentucky、New York、California州と気温や降水量が似ているためで、異なる気候の、蚊の多い南部諸州では承認されていない。
5年後には新たな申請が必要となる。
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Wolbachia を利用した蚊の駆除は他でもテストが行われている。
南米ではジカ熱、デング熱などの対策として熱帯シマカの駆除テストが小規模に行われていたが、2016年に Bill and Melinda Gates Foundationと英国のWellcome Trust、米国政府、英国政府の基金とブラジル政府の追加支出により、ブラジルの Rio de Janeiro とコロンビアのMedellínで大規模テストが行われた。
豪州やインドネシア、ベトナムでのテストでも好成績を上げている。
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