トヨタ自動車、米国で燃料電池発電所を建設

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トヨタ自動車は 11月30日、米カリフォルニア州でバイオマスから得た水素を使う世界最大規模の燃料電池発電所を建設すると発表した。

燃料電池発電事業を手がけるFuelCell Energyと組み、カリフォルニア州ロングビーチ港に、燃料となる水素を生み出し、2.35メガワットの発電が可能な燃料電池発電所および水素ステーションを併設する「Tri-Gen(水・電気・水素の3種類を生み出す=Tri-Generation)」を建設する 。

畜産場の家畜排せつ物や汚泥等の廃棄物系バイオマスから水素を取り出す。
水素を使い、高温型の溶融炭酸塩型燃料電池(Molten Carbonate Fuel Cell)を用いて発電を行う 。
発電で排出されるを活用

Tri-Genで1日に発電する約2.35メガワットアワーの電力量は、米国の一般家庭約2,350世帯分の日当たりエネルギー消費量に相当する。電力の一部と水は、北米でトヨタの物流事業を担うToyota Logistics Serviceのロングビーチ拠点に供給される。

製造する水素約1.2トンは燃料電池自動車およそ1,500台の日当たり平均走行距離に必要な充填量に相当する。併設する水素ステーションなどを通じて、日本からロングビーチ港に輸送される新車配送前の燃料電池自動車「MIRAI」や本年10月より同港湾エリアで実証実験中のFC大型商用トラックなどの燃料充填に使用する。

建設は2018年より開始し、2020年頃の稼働開始を予定している。

Tri-Genは、これまでFuelCell Energyが、米国エネルギー省、カリフォルニア州大気資源局(CARB)、同州の南部沿岸大気品質管理区(AQMD)などの公的機関や、核となる燃料電池関連技術の研究を行うカリフォルニア大学アーバイン校とともに、取り組みを進めてきた。

今回、トヨタとFuelCell Energyが協力し、Tri-Genの商用化に向けて、水素・電気・水を効率的に利用する仕組みの確立を目指す。

トヨタは、本取り組みを通じて、水素社会実現に向けたFC技術の応用拡大や水素インフラ拡充を推進するとともに、港湾エリアの大気改善に取り組むカリフォルニア州エネルギー委員会(CEC)やCARB、AQMDなどの環境改善目標達成にも貢献していく。

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FuelCell Energyは1969年にEnergy Research Corporation (ERC) として設立され、1992年に株式公開し、FuelCell Energy, Inc.と改称した。

その後、2007年に韓国のPOSCO Energy と提携し、東南アジア特に韓国に大々的に展開している。

同社は2014年2月に、韓国の華城市の世界最大の燃料電池パーク Gyeonggi Green Energy fuel cell parkの完成を発表した。

それぞれ 2.8 megawatt の FuelCell Energy DFC3000® 設備 21基で合計59 megawatts を発電する。

POSCO Energy は2012年11月に建設を開始し、13カ月で完成させた。

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