米、エルサルバドル移民20万人の在留資格打ち切り

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国土安全保障長官は1月8日、2001年に中米エルサルバドルで起きた2度の大地震を受け同国出身者 5,300人に与えられていた「一時保護資格(Temporary Protected Status:TPS)」について、「地震が引き起こした当時の状況がもう存在しない」ことを理由に打ち切りを発表した。

対象となる移民らは、合法的な滞在資格を取り直さない限り、2019年9月9日までに米国から出国しなければ強制送還されることになる。
ただ当局は、議会がこの1年半の猶予期間を使って滞在許可に向けた法的解決策を講じることは十分可能だとしている。

TPS制度の対象者の多くは、もともと不法に入国したり、ビザの失効後も不法滞在を続けたりしていた人々で、同制度によって強制送還の恐れなしに生活することが可能になっていた。
米国で生まれた子どもとともに同国内で生活の基盤を築いてきた何万世帯ものエルサルバドル人家庭が強制送還される可能性がある。

本当に強制送還するのかとの質問に対し、係官は、犯罪者の強制送還が優先するとしながらも、違法滞在者は送還するのが原則と述べた。

Temporary Protected Status(TPS)の概要:

国土安全保障長官は、以下の場合に特定国をTPSに指定できる。
 その国民が一時的に安全に帰国できない状態。
 特定の事情で、その国が国民の帰国を適切に処理できない状態。
 具体的には、内戦など軍事衝突が発生、地震・ハリケーン・伝染病などの環境上の災難、その他特別で異常な状態にある場合。

その場合、米国に既に滞在しているその国の国民にTPSを与えることができる。

TPSを認められた期間中は、米国からの追放はなく、雇用承認ドキュメントの取得が可能。
その間はヴィザの問題で抑留されることはない。
永久居住権はないが、いろいろなヴィザの申請は可能である。

今回の決定は、Trump大統領による不法移民取締政策の一環。

米政府は昨年にも、米国内に生活の基盤を築いてきたハイチ移民5万9千人とニカラグア移民5300人に対するTPSの打ち切りを決めている。

2010年のハイチの地震で、30万人が死亡、150万人が負傷した。
5万9千人のハイチ人がTPSで米国に居住しているが、国土安全保障省は2017年11月20日、ハイチの状態は改善し、最早安全に帰国するのを妨げる状況にないと述べ、2019年7月22日までに出国するか、滞在を続けるなら、それまでに正規のヴィザをとることを求めた。

この決定に反対する人々は、最近ハイチを3つのハリケーンが襲ったことや、コレラの発生などを挙げている。

1998年10月に Hurricane Mitchが中米諸国を襲った。1999年1月にクリントン政権により、ニカラグアとホンジュラスの国民にTPSが与えられた。

米政権は2017年11月6日、ニカラグアの5300人のTPSが2019年1月5日で終了し、延長しないと発表した。(これまでに期限がくると、その都度延長してきた。)

86千人のホンデュラスの移民については、2018年1月5日に終了する予定であったが、6カ月延長され、2018年7月5日に終了するとした。更に延長されるかどうかは未定としている。

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Trump大統領による不法移民取締政策について、また一時差し止め命令が出た。

カリフォルニア州の連邦地裁は2018年1月9日、子供の頃に親に連れられ入国した不法移民(「ドリーマー」と呼ばれる)の強制送還を免除する制度 DACA(Deferred Action for Childhood Arrivals)の撤廃について、一時差し止めを命じた。

トランプ政権は2017年9月、制度の打ち切りを発表し、3月に撤廃期限が迫っていた。対象者は全米で80万人に上るとされ、カリフォルニア大学などが「学生らの損失に直面している」などとして、撤回を求めて提訴していた。

幼少時に親と米国に不法入国した若者の強制送還を延期(defer) し、その間就労許可証を与えるもの。

2001年に、子供の時に親に連れられて米国に不法入国し滞在を続けた若者に対し、アメリカに永住できる道を与えようとする DREAM 法案が提唱された。自らの意思で不法滞在を選択したわけではない若者で、犯罪歴がなく、大学に進学もしくは軍隊に入隊したものには、アメリカで生き延びる機会を与えようという趣旨であった。


2017/9/6 新たな不法移民問題

判事は制度の対象になったことがない人の新たな申請を受ける必要はないが、更新には対応するよう命じた。効力は全米に及ぶ。

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