北朝鮮への原油輸出量の上限を年間400万バレルに制限すると発表した。中国が原油供給を制限するのは初めて。
通達内容は次の通り。
1) 北朝鮮への輸出
・ 鉄鉱石、鉄鋼、その他金属、工業用機器、輸送車両の全面禁止
・ 原油輸出の制限 各国合計で年間400万バレル or 525千トン
・ 石油製品の制限 各国合計で年間50万バレル or 60千トン 限度に近づいた時点で通知し、輸出を中止する。
2) 北朝鮮からの輸入の全面禁止
税率表
第7章 食用野菜、根菜等
第8章 果物、ナッツ
第12章 油用種子、雑穀、薬用植物、飼料
第44章 塩;硫黄;泥および石膏、石灰およびセメント
第84章 原子炉、ボイラー、機械、およびその部品
第85章 モーター、電気機器、テープレコーダー、TV、オーディオ、およびそれらの部品、付属品
中国は、2016年11月と2017年8月の決議に沿って、国内で対応措置を取っているが、原油供給に関しては国内措置を取っていなかった。今回、原油制限にも踏み込むことで、さらに厳格な制裁履行をアピールする狙いがあるとみられる。
中国のこれまでの対応:
2017/2/28 中国、北朝鮮からの石炭輸入を全面停止 (2017/2/19から)
2017/8/17 中国、北朝鮮の石炭や鉄などを全面禁輸
中国外務部の副報道局長は9月12日、「北朝鮮は国際社会の反対を顧みず再び核実験を行った。中国は国連安保理が必要な措置をとることに賛同する。決議が全面的かつ完全に執行されることを望む」と表明した。
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国連安全保障理事会は2017年12月22日、米国が起草した対北朝鮮追加制裁決議案を、中国を含む全会一致で採択した。新たな制裁措置には、北朝鮮のミサイル・核開発に必要な石油供給の制限などが含まれる。
追加制裁措置は、北朝鮮が11月28日に実施した大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を受けたもので、2017年に同国に科された3度目の制裁となった。
新制裁では、北朝鮮への石油精製品の年間輸出上限量を従来の200万バレルから75%減の50万バレルに引き下げ、原油の年間輸出量にも400万バレルの上限を設けるほか、政権の外貨収入源となっている国外の北朝鮮労働者には2019年末までの送還が命じられる。
また、北朝鮮の行動に応じ、制限措置の強化、修正、停止、解除の用意があるとした。
原油輸出に関しては、核実験やミサイル等があれば更なる制限を課することを明記した。
2016/11/30 | 2017/8/5 | 2017/9/11 | 2017/12/22追加 | ||||
北朝鮮 への 輸出 |
石油 製品 |
原油 | 年間上限 400万バレル (過去12か月分) |
年間上限 400 万バレル (525千トン) 核実験、ミサイル等で更なる制限 |
北朝鮮の 行動に応じ、 制限措置を 強化、修正、 停止、解除の用意 |
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石油精製品 | 年間上限 200万バレル (現状450万バレル) |
年間上限 50万バレル | |||||
NGL、 コンデンセート |
禁止 | ||||||
その他 | ヘリコプター、船舶 | → | → | ||||
北朝鮮 からの 輸入 |
石炭 | 各国で 年4億ドルor 750万トン (少ない方) |
全面禁止 | → | 北朝鮮による、 食料品、農産物、電子機器、 マグネシウムを含む鉱物類、 船などの輸出を禁止 |
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金属 | 銅、ニッケル、 銀、亜鉛 |
→ | → | ||||
鉄、鉄鉱石 鉛、鉛鉱石 |
→ | ||||||
繊維製品 | 禁止 (20161年 760百万ドル) |
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その他 | 彫刻像 | → | → | ||||
海産物 | → | ||||||
出稼ぎ就労許可 | 新規受け入れ原則禁止 | 現契約の更新禁止 | 2年以内に送還 | ||||
貨物船の公海上臨検 | 禁輸品積載の疑いある船舶 (旗国の同意の下) |
北朝鮮に石油などを違法に運搬が疑われる貨物船を自国の港で臨検 | |||||
合弁会社 | 新設や既存JVの拡大 | 全面禁止 |
2017/9/15 北朝鮮制裁決議案 採択
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