インドネシア政府の違法漁業対策で意見の対立

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インドネシアでは毎年数千隻の密漁船により200億ドルの損失を被っているとされるが、違法漁業への「見せしめ」として、外国密漁船を拿捕後に爆破処理をしている。

これについて、ルフット海事調整相が1月8日、「もう十分だ」と批判し、中止する方針を示した。

「ショック療法としては良かったが、もう十分。水産物の生産や輸出に注力すべきだ」と述べ、拿捕した船は地元漁師に与える方針を示した。カラ副大統領も「抗議する国がある」と爆破を批判したという。

これに対し、直接の担当であるスシ (Susi Pudjiastuti)海洋水産相は「爆破は効果的だ」と述べ、「やめるかどうかは大統領が判断すべきだ」と反論した。ジョコ大統領は同日、「数千の密漁船が来なくなったのはスシ氏が船を沈めたから」と、爆破擁護ともとれる発言をした。


密漁船の爆破は、水産業界出身で2014年に就任したスシ氏の看板施策で、許可なく同国海域で操業して拿捕したベトナム、フィリピン、マレーシアなどの360隻余りを司法手続きに基づき沖合で爆破し、魚礁にしてきた。船員らは強制送還処分とした。

1965年1月生まれ。

10代の頃、退屈な高校生活を投げ出し荒々しい漁港の仕事に身を投じたという経歴を持つ。 右足には、フェニックスのタトゥーが彫られている。

漁港で大成功を収めた。

大臣就任前は、海産物の輸出会社 PT ASI Pudjiastuti Marine Productのオーナーで、地方島嶼部専門のチャーター便 Susi Air を運営するPT ASI Pudjiastuti Aviationのオーナーでもあった。

その経営手腕が、貧困層出身のジョコ大統領の目に留まった。

世界自然保護基金(WWF)は2016年9月、Leaders for a Living Planet Award を授与した。海洋水産相として、インドネシアの漁業の持続可能な開発推進、海洋エコシステムの維持、インドネシア海域での不法漁業の摘発での努力に対するもの。


本件は、漫画「ゴルゴ13」2016年12月号のエピソードのひとつに描かれ、インドネシアで大きな話題となった。

ある政府関係者が記者たちから取材を受けている。この人物がインドネシア領海内に侵入した違法漁船を爆破しようとしているためだ。
服装、眼鏡、髪型、ベレー帽から手に持った一杯のコーヒーに至るまで、実際の取材時のスシ大臣の姿と同様に描かれている。

記者たちは、「本当に違法操業船を爆破するのですか ?」 「中国船もありますが・・・」と問いただす。

これに対し、「中国船だって容赦しないわ!」 「違法な事をすれば・・・ こうなるのよ!」


河野外務大臣は2017年8月22日、訪日中のスシ海洋水産大臣の表敬を受けた。

河野大臣から、2018年は日・インドネシア国交樹立60周年であり、両国の関係をさらに高める契機としたくスシ海洋水産大臣の協力を得たい旨述べた。

スシ海洋水産大臣から、両国の協力について、日本から調査団が頻繁にインドネシアを訪問する等、非常にダイナミックに進んでおり、これをしっかりとフォローしていきたい、日本の真摯な姿勢に感謝申し上げる旨述べるとともに、漁業資源管理や違法漁船対策について高い技術を有する日本と連携して進めていきたい旨述べた。

両大臣は南シナ海のインドネシアの排他的経済水域で中国漁船が操業を繰り返すなど、中国が海洋進出を強めていることも踏まえ、航行の自由や海洋における法の支配が重要だとして、今後も緊密に連携していくことを確認した。

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