米司法省は2016年6月15日、自動車用ゴム部品の車体シールを製造する東海興業と、スチールチューブを製造するマルヤス工業、および東海興業社員1名とマルヤス工業社員4名を、価格カルテルに加わったとして起訴した。
多くの日本の自動車部品メーカーがカルテルで摘発されているが、ほとんどが起訴前に司法取引に応じ、有罪を認める代わりに処罰を軽減されている。
しかし、両社は司法取引に応じず、起訴されていた。
日経報道によると、東海興業に関し、オハイオ州南部地区連邦地裁の陪審は2017年11月29日、起訴内容を全面的に否認する同社側の主張を認めて無罪評決を出し、確定した。無罪は極めて珍しいとされる。
2013年に他社の証言をもとに捜査が始まったが、社内調査で事実無根と判明したため、裁判で争うことを決めた。司法省は他社の社内資料にあった「既得権」などの言葉から受注調整の証拠としたという。
付記 この裁判は、東海興業、米子会社 Green Tokai 及び 東海興業社員1名を被告とするもので、全員が無罪となった。
裁判の概要:
http://www.appliedantitrust.com/03_criminal/case_studies/auto_parts_tokai/tokai_kogyo_sdohio_trial_brief_def_opp10_23_2017.pdf
マルヤスは米国の100%子会社の Curtis-Maruyasu America とともに起訴された。
同社は2016年8月には裁判所に対し、司法省の起訴を却下するよう要請した。この製品は日本で製造販売しており、販売先は日本企業であるとし 、米国に裁判の管轄権はないと主張、カルテル容疑も否認した。
(米国の100%子会社の Curtis-Maruyasu America の関係は不明。)
オハイオ州連邦地裁は裁判管轄権を認めたが、同社は2017年2月に巡回裁判所に対し、これの取り消しを求めている。
同社に関しての現状は不明だが、有罪との報道はない。
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米国では自動車部品カルテルが順次摘発されており、現在までに日本企業が39社(仏Valeoの子会社のヴァレオジャパンを含む)と外国企業5社、合計44社が摘発されている。日立オートモティブは2回のため、実質43社。
このうち、東海興業とマルヤス以外は全社が司法取引に応じ、合計で罰金 2,888.1百万ドルを支払っている。
個人についても、合計65名(うち外国人1名)が摘発され、このうち31名(うち外国人1名)が司法取引に応じ、禁固刑と罰金刑を受けている。
残り34名は恐らく、司法取引に応じず、かつ日本に滞在のままで、米国での裁判に応じず、時効中断になっていると思われる。
上記の詳細は 2015/9/7 日本ガイシ、自動車用触媒担体のカルテルで米司法省と司法取引 に付記
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