朴前大統領親友に懲役20年、ロッテ重光会長も実刑

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朴槿恵前大統領(収賄罪などで公判中)の親友で、大企業から資金拠出を強要したとして職権乱用罪などに問われた崔順実被告らの裁判で、ソウル中央地裁は2月13日、崔被告に懲役20年、罰金180億ウォン(約18億円)の実刑判決を言い渡した。

崔被告は既に、娘の不正入学を巡り業務妨害罪などに問われた事件の一、二審で懲役3年の実刑判決を受けている。

検察によると、崔被告は2015年から2016年にかけ、朴前大統領の要請を受け、文化・スポーツ事業振興目的で「ミル財団」と「Kスポーツ財団」を設立、大統領府の前政策調整首席秘書官の安被告と共に企業に対し多額の出資を強要し、計約774億ウォン(約77億円)を集めたとされる。

本件では、2017年12月14日、ソウル中央地裁で論告求刑公判が行われた。

検察側は崔被告に対し、職権乱用などの罪で懲役25年、罰金1185億ウォン(約123億円)、追徴金約78億ウォン(約8億円)を求刑した。

また、ロッテグループの重光昭夫(辛東彬)会長に対し、贈賄の罪で懲役4年、追徴金70億ウォンを求刑した。

崔被告と共謀したとされる大統領府の前政策調整首席秘書官、安鍾範被告には懲役6年を求刑した。

免税店事業認可に絡み、朴被告の要請で「Kスポーツ財団」に70億ウォン(約7億円)を賄賂として提供したとして贈賄罪で在宅起訴された韓国ロッテグループの重光昭夫(辛東彬)会長に対しては懲役2年6月の実刑判決を言い渡した。実刑判決で身柄を拘束されたため、グループの経営に支障が出る懸念もある。

会長はロッテグループの企業内の不正事件で懲役1年8カ月、執行猶予2年 の判決を受けており(下記)、今回の有罪で執行猶予が無効となり、懲役は合計4年2か月となる。

このほか、崔被告と共謀したとして、大統領府の前政策調整首席秘書官、安鍾範被告は、求刑通り懲役6年の判決を受けた。 

今回裁判所は、「大統領が職権を乱用、企業に出資を強要し、崔被告らが大統領と共謀した」と判断した。今後、前大統領も有罪となるのは確実だという見方が広がっている。

付記

辛東彬(重光昭夫)会長の拘束を受け、ロッテ創業者の長男の辛東主(重光宏之)氏は、ロッテHDの筆頭株主である光潤社の社長としてロッテHD代表取締役副会長を務める東彬氏の辞任と解任を訴えた。

日韓ロッテグループの代表者の地位にある者が横領・背任、贈賄などさまざまな犯罪行為で有罪判決を受け、収監されたことはロッテグループの70年の歴史上、前代未聞の出来事だとし、東彬氏の「即時辞任・解任」とコーポレート・ガバナンスの刷新・建て直しが不可欠だと強調した。

付記

韓国ロッテグループ会長の重光昭夫(辛東彬)被告の控訴審判決で、ソウル高裁は10月5日、1審の実刑判決を破棄し、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑・懲役14年など)を言い渡した。

重光被告は約8か月ぶりに釈放された。

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崔順実被告への贈賄罪などに問われ、一審で懲役5年の実刑判決を受けたサムスングループ経営トップのサムスン電子副会長については、ソウル高裁は本年2月5日、地裁判決を破棄し、李被告に新たに懲役2年6カ月、執行猶予4年を言い渡した。李被告は約1年ぶりに釈放された。

2017年8月の一審では5つの起訴事実すべてが有罪とされたが、高裁は焦点となっていた贈賄の一部と海外への不正な送金などを無罪とした。

なお、本件については、サムスン側と検察側がいずれも上告している。

2018/2/5 サムスントップ釈放

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なお、重光昭夫(辛東彬)会長等は別途、ロッテグループの企業内の不正事件で、横領や背任などの罪に問われていたが、本年1月22日、ソウル中央地裁で下記の判決があった。

  求刑 判決
辛東彬(重光昭夫)会長 (62) 懲役10年と罰金1000億ウォン 懲役1年8カ月、執行猶予2年
辛格浩(重光武雄)創業者(95) 懲役10年、罰金3000億ウォン 懲役4年と罰金35億ウォン 収監は見送り
辛東主(重光宏之)(63) 懲役5年、罰金125億ウォン 無罪


2017/12/23 ソウル中央地裁、ロッテ創業者に実刑判決、収監は見送り


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