12日午前に韓国政府が「自力更生案を持ってくるように」と求めると、同日夕に工場閉鎖決定を通知した。
GMは「この3年間の群山工場の稼働率は20%に満たず、工場閉鎖は避けられない」と説明した。従業員は全員が希望退職の対象に分類された。
群山工場は2002年にGMが大宇から買収したもので、2本の生産ラインで準中型車の Cruzeと SUVのOrlandoを生産しているが、年間26万台の能力に対し、過去3年間は工場の稼働率が20%に落ち、かつて4000人以上だった職員の数は2044人(直営1849人、社内協力会社195人)に減っていた。
GM本社は、群山工場閉鎖にとどまらず他の工場の閉鎖にも触れ、資金支援や税の減免などを要求 して韓国政府を強く圧迫している。
GMのダン・アンマン総括社長は「韓国政府、労組との話し合いを経て、残りの事業の将来についても数週間中に結論を出す」と述べた。
2月末までに韓国政府が支援を決定しなければ、GMが韓国市場から全面撤収することもあり得るという 。韓国事業の長期的な維持は、韓国政府が資金や優遇措置などの提供に応じるか否かと、労組が労働コスト削減に同意するか否かに懸かっているとしている。
韓国GMは群山のほか、仁川市富平と全羅北道群山、慶尚南道昌原で完成車工場を稼働させている。雇用人員の総数は、直接雇用がおよそ1万4200人、協力企業の労働者を含めると30万人にもなる。
韓国GMの昨年の販売量は524,547台で、2016年より12.2%減少した。最近4年間の累積営業損失はおよそ3兆ウォン(約3000億円)。
GMでは今回の群山工場の閉鎖に関する費用として、最大で8億5000万ドルの減損処理が必要と試算している。
付記
韓国GMの本社借入金のうち、今年満期が到来する規模は少なくとも15億ドルに上る。このうち、2月末は580百万ドル、4月は925百万ドルの満期がそれぞれ到来する。
これは2016年までの借入金のみを集計したものである。昨年1年前後の満期で借りた資金がさらにあるので、今年の返済額規模ははるかに大きいと推定される。GM本社が、満期がきた貸付金について延長を認めず、返済を求めるかどうかが注目された。
GM本社は2月23日、2月末が期限のものについて3月末までの延長を認めた。韓国政府とGM本社の攻防が続く。
雇用を最優先の課題として掲げてきた文在寅政権が、韓国GMの群山工場閉鎖という巨大な悪材料に直面している。
与野党は今回の問題で互いに責任を押し付けている。
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韓国の東亜日報は、韓国政府が本年1月に米国GMに対し、韓国GM支援を決定するうえで必要な最低限の前提条件を提示していたことが分かったと報じた。
GMの海外事業部門社長が訪韓し、金融支援、有償増資、財政支援の可能性を打診した。
これに対し韓国政府は、①中長期経営改善計画、②韓国への設備投資計画、③高金利融資などを通じ韓国GMから資金を抜いた疑惑の解消の3つを要求した。
GMが韓国で工場を維持し、雇用を創出するという真剣さを自ら立証してこそ支援できるとの立場を示した。
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