Clariant は1月25日、SABICがClariantの株式の24.99%を取得し、最大株主になったと発表した。
物言う株主Keith MeisterのヘッジファンドCorvex Management LP と投資グループの40 North から買収した。 これまで Corvex Management LPと40 North は共同でWhite Tale Holdings を設立し、Clariantと対決してきた。
Clariantは次のように述べた。
SABICによる同社株式の取得については事前に知らされていた。
SABICは世界の大手化学会社の一翼で、スペシャリティ部門にも進出しており、触媒のJV Scientific Designのパートナーでもある。
近いうちに今後のClariantの運営について話し合いたい。
SABICは2003年に吸着剤と触媒のメーカーである Süd-Chemie と組んで、Linde AG からScientific Design Company Inc.を買収し、50/50 JV とした。
その後、2011年にClariantがSüd-Chemieを買収した結果、現在 Scientific Design はSABICとClariant の50/50 JV である。
ーーー
Corvex と40 North の White Tale Holdings はこれまで、Clariant株を長期保有するとして、会社側と対決してきた。
Clariant と Huntsman は2017年5月22日、両社の取締役会が満場一致で両社の対等合併の契約を承認した。
統合会社の社名はHuntsmanClariant で、統合会社の売上高は132億ドル、 EBITDA は23億ドル、企業価値は約200億ドルとなる。
Clariantの株式がそのままHuntsmanClariant の株式となり、Huntsmanの株主はHuntsman株式1株につき1.2196株のHuntsmanClariant株を受け取る。
結果として、Clariant株主が52%、Huntsman株主が48%となる。取締役は両社から均等に出す。
新会社のグローバル本社はスイスのPratteln に置き、運営本部はテキサス州The Woodlandsに置く。
株式はスイスとNew Yorkの両方で上場する。
2017/5/26 Huntsman と Clariantが統合
これに対し、White Tale Holdings は反対を唱え、Clariant株の買い増しを進めた。
2017年7月10日 10%超
9月19日 15%超
10月27日 20%超
White Tale は持株が15%超となった時点でClariantの取締役会に公開状を送り、Huntsmanとの合併を取り消し、戦略的代替案を探ることを求めた。
合併はClariant株主に損害を与え、Clariantのいろいろな選択肢をつぶすことになるとしている。
合併を取り止めるとともに、独立投資会社を雇って、スペシャリティケミカルの専業としてやっていける代替案を探ることを求めた。
両社は2017年10月27日、合併を断念した。両社は合併が長期的に株主の利益になると信じるが、物言う投資家White Tale Holdings が反対を続け、他の株主も同調しているため、無理と判断した。
契約には、株主総会で通らなかった場合の違約金の条項はなるが、今回は総会前の両社の判断であるため、違約金の支払いはない。
その後、ClariantはWhite Tale と話し合いを続けた。
しかし、White Tale の主張は曖昧で、Clariant側の印象は、Clariantをバラバラにして、それぞれを高く売ることを狙っているように見えるとしている。
Plastics & Coating部門の売却検討の提案も出された。
2016年の業績(100万スイスフラン)
売上高 EBITDA Care Chemicals 1,465 276 触媒 673 160 Plastics & Coating
(顔料、マスターバッチ、添加剤)2,525 368 天然資源ビジネス
Oil & Mining、Functional Minerals1,184 200 Corporate - -117 Total 5,847
これは実質的にClariant 解体を意味し、経営陣にとって受け入れる余地はなく、対立した。
White Taleの狙いは、Clariantの価値を高めることではなく、売り抜けて利益を得ることであり、その後も24.99%まで買い増しし、SABICに売却して利益を上げた。
Clariant 株価推移
コメントする