3月23日の暫定予算期限が近づく中、共和・民主両党の議会トップ4人は3月21日夜、10月までの政府予算を手当てする歳出法案で合意した。
本年2月8日につなぎ予算が切れ、政府機関が再度の閉鎖となった直後、2月9日早朝に両院で3月23日までの暫定予算を承認し、閉鎖が解除された。
両院で可決した上院の法案には、連邦政府支出を約3000億ドル増やす期間2年の予算合意、債務上限を1年間停止が含まれている。2018/2/10 米国政府機関、再度の閉鎖、数時間後に予算合意で解除
米下院は同日、総額1兆3000億ドルの包括的歳出法案を公表した。
国境警備とインフラ、軍事予算を増やし、共和、民主両党議員へのアピールを狙った内容となっているが、与党共和党の内部にも反対が強かった。
歳出の大幅増額と減税により財政赤字が増大するため、歳出抑制、均衡予算を唱える多くの共和党議員にとって受け入れがたいものであった。
2200ページにも及ぶ予算案が前夜に初めて公表され、「誰も読んでいない、恥を知れ」と叫ぶ議員もいた。
トランプ大統領はメキシコとの壁建設費用として250億ドルを求めていたが、法案ではフェンス建設費など国境警備予算16億ドル だけを認めた。
大統領は事前協議で不満を示したが、法案を通すため、しぶしぶ認めた。
なお、民主党側は未成年時に親に連れられ不法入国する形で米国に来た「ドリーマー」の救済を求めていたが、共和党との協議がまとまらず、司法の判断に任すこととなり、不満を抱いている。
このほか、銃購入時の身元確認に用いるデータベースへのより厳格な報告を連邦省庁に義務付ける条項や、インフラプロジェクト予算210億ドル、過剰摂取による死亡者数の急激な増加が問題となっている麻薬性鎮痛薬オピオイド乱用対策の追加予算40億ドルも盛り込まれた。
共和党首脳は反対を抑えるため、軍事費の増額を強調し、賛成するよう求めた。
共和党のPaul Ryan下院議長は投票前に次のように叫んだ。
"Vote yes for our military. Vote yes for the safety and the security of this country."
下院は3月22日に法案を可決した。共和党から保守派を中心に90人が反対した。
共和党 民主党 合計 賛成 145 111 256 反対 90 77 167 棄権 3 4 7 合計 238 192 430
しかし上院では保守派の反対が多く、難航した。
最後に投票に入り、22日深夜を過ぎて、可決した。共和党から23人が反対した。
共和党 民主党 無所属 合計 賛成 25 39 1 65 反対 23 8 1 32 棄権 3 3 合計 51 47 2 100
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