中国石油天然気集団、アブダビ沖合のADMA鉱区の権益取得

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アブダビ国営石油会社(ADNOC)は3月21日、ADMA鉱区の3つの油田の権益を中国石油天然気集団(CNPC)の子会社 PetroChinaに与えたと発表した。

国際石油開発帝石の子会社のジャパン石油開発(JODCO)がADNOCと共同で運営してきた油田の一部である。

契約地域

当初権益比率

JODCO ADNOC その他
ウムシャイフ油田 12% 60% BP   14.67%
TOTAL 13.33%
ナスル油田
ウムルル油田
下部ザクム油田
上部ザクム油田 12% 60% ExxonMobil 28%
ウムアダルク油田  12% 88%

サター油田(SARB) 40% 60%


これらの油田は 相次いで期限が来るが、
生産コストが安く探鉱リスクもないことから、BPやTOTALが比率拡大を狙うほか、中国も新規参入を目指しており、今後、激しい国際競争が予想された。
国際石油開発帝石も政府の支援を得て、延長交渉を行ってきたが、
ADNOCは2017年8月7日、他数(more than a dozen )の相手と交渉中であると発表した。

国際石油開発帝石は最終的にウムシャイフ油田、ナスル油田、 ウムルル油田の権益は失ったが、下部ザクム油田は10%を確保、ウムアダルク油田はこれまでの12%を40%に増やした。
上部ザクム油田とサター油田はこれまでの権益を維持した。

この時点ではスペインのCepsa、インドのONGC Videsh のグループが新たに権益を取得した。

2018/2/28 国際石油開発帝石、アブダビの下部ザクム油田の権益取得

ADNOCは3月21日、CNPC(PetroChina)にウムシャイフ/ナスル油田と下部ザクム油田の権益各10%を与えたと発表した。

CNPCは参加料として、下部ザクムについて6億ドル、ウムシャイブ/ナスルについて5.75億ドルを支払う。

別途、ADNOCは3月11日にイタリアのENIにウムシャイフ/ナスル油田の権益の10%と下部ザクム油田の権益の10%を、3月18日にはフランスのTotalにウムシャイフ/ナスル油田の権益20%と下部ザクム油田の権益5%を与えた。Total はジャパン石油開発とともに、これらの油田に当初から参加している。

Eniは参加料として、下部ザクムについて3億ドル、ウムシャイブ/ナスルについて5.75億ドルを支払う。
Total は参加料として、下部ザクムについて3億ドル、ウムシャイブ/ナスルについて11.5 億ドルを支払う。

鉱区

今回改正(青字は2018/2、赤字は2018/3の変更点)

新期限
JODCO ADNOC その他
ウムシャイフ油田

12%→0%

60% PetroChina 10%
Total 20%
Eni 10%
2058/3/8
ナスル油田 60%
ウムルル油田 

60%

Cepsa 20%
未定 20%
下部ザクム油田 12%→10% 60% ONGC Videsh 10%
PetroChina 10%
ENI 5%
Total 5%
上部ザクム油田 12% 60% ExxonMobil 28% 2041/12/31
ウムアダルク油田 12%→40% 60% 2043/3/8
サター油田(SARB) 40% 40%

Cepsa 20%

2043/3/8

残るウムルル油田の相手先が未定である。また、下部ザクムについては、前回、ADNOCは20%分の放出を明らかにしたが、これも未定となっている。

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中国石油天然気集団(CNPC) はこれ以外にもUAEの石油事業に参加している。

国際石油開発帝石(INPEXは2015年4月27日、ジャパン石油開発(JODCO)がアブダビ首長国の陸上のADCO鉱区の5%の参加権益を取得し2015年1月1日からの40年間を契約期間とする利権契約を同国政府及びアブダビ国営石油会社(ADNOC)と締結したと発表した。

ADNOCの出資比率は1974年に60%となったが、他のメンバーは以下の通りであった。

BP、Shell、Exxon Mobil、Total  各9.5%、計38%
PortugalのPatex Oil and Gas 2%

これら各社の権益は2014年1月10日に期限切れで失効した。

新しく40年間の権益が与えられることとなり、各社が応札した。

先ず2015年1月1日付けでフランスのTotal が10%の権益を取得した。
INPEXの5%権益取得はこれに続くもの。

残りの25%分を次の各社が争った。

2015/4/29 国際石油開発帝石、アブダビ首長国の陸上ADCO鉱区の権益取得

2017年2月にCNPCは8%の権益を取得した。

最終の権益比率は次の通り。

ADNOC 60%
Total、BP 各10%、CNPC 8%、
ジャパン石油開発 5%、中國華信能源(CEFC China Energy:中国の新興エネルギー企業) 4%、韓国 GS Energy 3%

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CNPCは2014年に、CNPC 40%、ADNOC 60%の陸上及び海上採掘JV Al Yasat を設立した。

海上利権は、Bu Haseer、Belbazem、Umm Al Dholou、Umm Al Salsal、Yaser の油田で、2018年には生産開始が期待されている。

陸上油田はAbu Dhabi の南西の地域にあり、面積は7800 km²。現在開発中。


更に、中国は最大の石油輸入国であり、UAEは中国への10番目の輸出国である。

ADNOCとBorealisの60/40のJVのAbu Dhabi Polymers (Borouge)は現在、下記の能力を持つが、中国は最大の輸出先である。Abu Dhabi Polymers (Borougeは上海と広州にPPコンパウンド工場を持つ。

  • HDPE/LLDPE 年産230万トン
  • LDPE(wire and cable用) 35万トン
  • PP 176万トン

2013/1/26 アラブ首長国連邦(UAE)の石油化学の現状

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