カリフォルニア州の連邦地裁は2018年1月9日、子供の頃に親に連れられ入国した不法移民の強制送還を免除する制度の撤廃について、一時差し止めを命じた。
これについてトランプ政権は、控訴裁を飛ばして最高裁の判断を求めていたが、米連邦最高裁は2月26日、トランプ政権の訴えを退けた。
救済措置は打ち切りが3月5日に迫っていたが、カリフォルニア州の連邦地裁による一時差し止め命令は効力が全米に及ぶため、司法手続きや議会での対応が続く間は引き続き有効となる。
米国のセッションズ司法長官は2017年9月5日、幼少時に親と米国に不法入国した若者 (「ドリーマー」)に滞在許可を与える制度(DACA)を撤廃すると発表した。
対象者の在留資格は2018年3月までは保護されるが、新たな申請は認めない。
制度が、議会を通った法律ではなく、大統領令で決まったことが問題であるため、議会に代替の法律をつくる猶予を与えた。
2017/9/6 新たな不法移民問題
カリフォルニア州の連邦地裁は2018年1月9日、「ドリーマー」の強制送還を免除する制度の撤廃について、一時差し止めを命じた。
3月に撤廃期限が迫っており、対象者は全米で80万人に上るとされ、カリフォルニア大学などが「学生らの損失に直面している」などとして、撤回を求めて提訴していた。
判事は制度の対象になったことがない人の新たな申請を受ける必要はないが、更新には対応するよう命じた。効力は全米に及ぶ。
USCIS(米国市民権・移民業務局)は1月にDACAの更新申請受付を再開した。
トランプ政権は、リベラルな判断で知られるサンフランシスコの連邦巡回控訴裁(9th Circuit)では敗訴する可能性が高いとみて、控訴裁を飛ばして、保守系判事が多数を占める最高裁の判断を仰ぐという極めて異例の対応を取った。
最高裁は2月26日、最高裁が判断する前に、下級審で審議をせよとして政権の要請を拒否した。もともと、下級審を飛ばして最高裁に判断を求めるのは極めて異例である。
この結果、連邦地裁の判断が生き、3月5日の期限切れは無くなった。また、それまでに法律を通さねばという議会への圧力も緩和される。
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