国際石油開発帝石、エクアドルの権益返還で補償金受け取り

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国際石油開発帝石は3月20日、エクアドルの石油鉱区返還に関し、エクアドル政府から約199億円の補償金を受け取ることで合意したと発表した。

石油鉱区の権益を取得後、エクアドル政府の提案でサービス契約に切り替えることとし、協議を続けたが、同国政府と合意に至らず、鉱区を返還した。

同国の法律に基づき、一部のパートナーとともに、鉱区返還に伴う補償金を受け取るべく交渉し、国際商事仲裁を申し立てていたが、今回、同国政府と総額318.7百万ドル(約350億円)を受け取ることで合意したもの。

経緯は下記の通り。

帝国石油(2006年に国際石油開発と合併)は2005年1月、ブラジルのPetrobrasのアルゼンチン子会社 Petrobras Energia からエクアドル東部オリエンテ地方の石油鉱区のブロック18とブロック31の各40%の権益を取得する契約を締結した。

取得後の権益比率は次の通り。

ブロック 18 ブロック 31 各社の概要
Teikoku Oil Ecuador 40% Teikoku Oil Ecuador 40% 帝国石油子会社
Ecuadortlc S.A. 30% Petrobras Energia Ecuador 60% ともにPetrobras Energia 子会社、オペレーター
Cayman Int'l Exploration 18% 米国人の石油会社
Petromanabi 12% エクアドル大手石油事業会社

その後、ブロック18について、2008年10月にエクアドル当局の承認を取得し、条件について協議を続け、同年12月に最終合意に達した。
取得価額については明らかにしていない。

なお、ブロック13については、想定された鉱区の開発の見通しが不透明なことから、取得を断念した。

ブロック18では当時、日量3万バレルの原油を生産中で、今後、既発見構造の開発を行っていく予定で、2009年には日量約5万バレルへの増産を考えていた。

2010年3月期の営業報告書では、「ブロック18鉱区において、既存油田から順調に生産を継続しております」としていた。

2010年にエクアドル政府からブロック18鉱区をコンセッション契約(採掘権付与)からサービス契約(探鉱・開発作業の請負)に切り替えるとの提案があり、協議を続けた。

しかし、政府側と合意に至らず、2010年11月に本鉱区を返還した。

エクアドルの法律では、コンセッション契約からサービス契約に移行しなかった場合は、政府から補償金を受け取ることができることとなっている。

国際石油開発帝石はPetrobrasなどとともに政府との交渉を続けたが、まとまらず、国際商事仲裁を申し立てた。

今回、エクアドル政府との間で合意に達したもの。

総額350億円のうち、同社分199億円は57%で、ほぼ同社(持分40%)とPetrobras(持分30%)で分け合うものとみられる。

補償金は2018年中に数回に分けて入金する。

同社では損益予想にはこれを折り込んでおらず、追って影響を公表する。

付記  同社は3月26日、当期純利益への貢献額として約120億円を折り込むと発表した。

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