Cove Point LNGが商業運転開始

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Dominion Energy Inc の米国メリーランド州のCove Point LNGプロジェクトが、4月9日に商業運転を開始した。

米国の本土48州では、2016年2月に稼働したCheniere Energy のルイジアナ州のSabine Pass LNG輸出ターミナルに次ぐ第二のLNG輸出ターミナルとなる。

Sabine Pass LNGについては 2018/2/14 米国のCheniere Energy、中国CNPCとLNGの長期供給契約締結

Cove Point LNGの正式稼働に先立ち、3月2日にShellが所有するLNGタンカーのGemmataが行き先不明で初荷を出荷している。

日本への初出荷は4月下旬以降となり、その後約1か月を経て、神奈川県内の東京ガスLNG基地で受け入れる予定。


米エネルギー省は2013年9月11日、住友商事が輸入契約を締結しているLNG輸出プロジェクト、Dominion Cove Point LNGに対し、Maryland 州 Calvert County にあるCove Point LNG Terminal から米国とFTAを締結していない国に対するLNGの輸出を承認した。(FTAを締結している国への輸出については、既に2011年10月7日に承認を受けている。)

輸出承認は日量770百万立方フィート(0.77Bcf/d )の天然ガスを20年間となっている。年間ベースでは525万トンの輸出枠となる。

2013/9/13 米、日本向けLNG輸出 2件目を承認

Dominion Energyでは既に住友商事との間で年間230万トン、インドのGailとの間で230万トンの輸出契約(20年間)を締結している。

住友商事では、東京ガスに対して140万トン、関西電力に対して80万トンの供給を約束している。

具体的には、Dominion Energyは、住友商事と東京ガスのJVのST Cove Point LLC 、及びインドのGail の米国子会社のGail Global (USA) から受託し、それぞれが持ち込む天然ガスをLNGに加工して供給する。
住友商事は子会社PSEを通じて天然ガスを持ち込む。

東京ガスと関西電力は、2016年4月に合意した「LNG調達における弾力性向上に資する連携」に基づき、需給の変化に柔軟に対応すべく、相互にLNGを交換・融通するなど協力する。

なお、日本着のLNG価格は、天然ガス価格+固定費+運賃となる。

2018年2月のLNG通関価格と米国の天然ガス価格、それを基にしたLNG輸入価格
(Henry Hub 天然ガス価格 + 口銭15% +液化費 3$ + 運賃 3$で試算)

住友商事の天然ガス供給価格は不明だが、通常はHenry Hub 渡し市況+マージンとなる。

液化費はCheniereが公表しているインドのGail、韓国のKogas向けは100万BTU当たり3ドルとなっている。

日本向け運賃は、(2012年9月のPlatts資料では)、US Gulf Coast からは100万BTU当たり2.96ドル、Cove Pointからは3.07ドルとなっている。

最近の価格では、既存の日本の輸入LPG価格が下がっているため、パナマ運河経由の米国からの輸入品は若干高めとなっている。

場合によっては、米国品を欧州に出し、アジアから欧州に向かっているものとスワップを行って運賃を節約することも考えられる。

東京ガスは2016年11月に、英エネルギー大手 Centrica のトレーディング事業会社であるCentrica LNG社と、「相互協力に関する協定」を締結したと発表した。その具体的な取り組みの第一歩として、LNGのスワップを行い、「LNGの輸送効率向上を通じたコスト削減を目指す枠組み」の実現を目指すことに合意した。

2016/11/22 東京ガス、英のCentrica とLNGをスワップ 

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