米財務省、日本を引き続き「為替監視対象国」に

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米財務省は4月13日、半期に一度の為替報告書を発表し、為替操作国に認定された主要貿易相手国はなかったことを明らかにした。

ただ、中国、ドイツ、日本、韓国、スイスを引き続き為替監視対象国に指定したほか、インドを為替監視対象国リストに追加した。

Report to Congress:Macroeconomic and Foreign Exchange Policies of Major Trading Partners of the United States

日本:

2017年の日本の対米貿易黒字は減らず、年間で690億ドルに達する。経常黒字は2010年以来の最大のGDP比4%にもなった。

日本の当局者は公に円高への懸念を口にしているが、過去6年間は外為市場に介入していない。財務省では、介入は非常に例外的な場合のみに、かつ、適切な事前協議を行ったうえでやるべきものと考える。

日本は現在の堅実な成長を利用して構造改革を行い、それにより、国内の産業を拡大し、長期的成長への道筋をつくり、財政赤字を減らし、貿易の不均衡を是正するべきだ。

中国:

米国に対し、非常に大きく、かつ継続する貿易黒字を持つ。2017年の黒字は3750億ドルに達し、前年比で280億ドルも増加した。

人民元は2017年は全般的にドルに対し元高に動いた。他の条件が等しければ対米貿易黒字を減らすのに役立つ。
しかしながら、貿易量を加重した幅広い基準でみると、人民元のベースは変わっていない。
更に、市場原理から乖離する中国経済の動向が、主要貿易相手国や長期の世界成長見通しに及ぼすリスクは増大している。

中国はマクロ経済の改革をすすめ、家計消費を拡大し、設備投資からの方向転換を行うべきだ。

財務省は、中国が為替に関するG20のコミットメントを順守し、競争的な元の切り下げを控えることが重要だと考える。

注.
2017年を通じ、人民元は対ドルでは上がっているが、13の通貨で構成される新たな人民元の指数であるCFETS指数や
BIS(国際決済銀行)通貨バスケットの為替レート指数、SDR決済通貨バスケットの為替レート指数でみると、横ばいである。2018年に入ると、これらも上昇している。

インド:

2017年第1・四半期から第3・四半期にかけて外貨購入を拡大した。通年では過去最大の560億ドルと、同国のGDPの2.2%の水準に達した。
「インドが民間資本の流出入管理を一部で継続していることを踏まえ、外貨準備の積み増しが必要なようにはみられない」との認識を示した。


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2016年2月24日、2015年貿易円滑化・貿易履行強制法成立した。

これはアンチダンピング法、相殺関税法および貿易救済法などを強化したものだが、上院の審議で為替操作国に対する措置が盛り込まれた。

第701条「米国の主要貿易相手国との為替レートおよび経済政策の取り極めの促進」に次の規定がある。

重大な対米貿易黒字実質的な経常黒字を有し、外為市場に対する長期かつ一方的な介入を行った米国の主要貿易相手国については、マクロ経済および為替政策に関する高度な分析を行い、財務長官はこの法律制定から90日以内に、この分析で使用した諸要因を公表する。

大統領は財務長官を通して、(3つの条件を満たす)対象国と高度な二国間取り極めを開始する。

米財務省は上記②の「重大な対米貿易黒字と実質的な経常黒字を有し、外為市場に対する長期かつ一方的な介入を行った貿易相手国」の分析に関し、次の基準で選ぶこととした。

重大な対米貿易黒字 対米貿易黒字が200億ドル(米国GDPの約0.1%) 以上
実質的な経常黒字 経常黒字がその国のGDPの3.0%以上
外為市場に対する介入 GDPの2%以上(ネットで)の額の外貨を繰り返し購入

財務省は2016年4月の報告で、3つの基準全てに当て嵌まる国はないことを確認したが、米国の主要貿易国の5カ国が3つの基準のうち2つに該当することを見つけた。
このため、新しい「監視リスト」を創設し、この5国を監視していくこととしたもの。

2016/5/2 米、日本や中国などを為替操作「監視リスト」に

その後の「監視リスト」の対象は次の通り。

日本 中国 韓国 台湾 ドイツ スイス インド
2016/4
2016/10
2017/4
2017/10
2018/4


中国は、2016/10以降は1つしか基準を超えていないが、
対米貿易黒字が膨大なため、次回の報告書でも自動的に指定される。今回も同様である。
台湾は2017/4 に1つしか基準を超えなかったが、外為市場介入で対象外となったのが一時的かどうかをチェックするため、監視国に残った。2017/10からは外れた。

今回の各国の状況は下記の通り。赤字の項目が基準を超えた項目。なお、独、伊、仏、及び英 はユーロ圏で独自の通貨がないため、「外為市場介入」は対象外。

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過去の状況

中国は、2016/10以降は1つしか基準を超えていないが、対米貿易黒字が膨大なため、次回の報告書でも自動的に指定される。
台湾は2017/4 に1つしか基準を超えなかったが、外為市場介入で対象外となったのが一時的かどうかをチェックするため、監視国に残った。

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