主要企業の2018年3月決算 - 三菱ケミカルホールディングス

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2017年3月期よりIFRS方式に変更した。

損益は前期を大幅に上回った。

法人税については、米国の連邦法人税率の引き下げで繰延税金負債の取り崩しによる減少があった。

田辺三菱製薬や大陽日酸のような高収益子会社の持ち株比率が50%台に止まるため、少数株主帰属損益が大きい。

年間で12円の増配とした。

営業損益のうち、コアに含まれない非経常的損益は下記の通り。(億円)

2016/3 2017/3 2018/3
減損損失 -136 -150 -97
固定資産売却損益 21 -20 -19
関係会社株式売却 3 -10 37
過去勤務費用 -8 -50
子会社統合費用 -10 -38
特別退職金 -155 -25 -24
環境対策費 -68 -10
その他 -50 -98 -47
合計 -317 -389 -248

 
営業損益は下記の通り。2016/3からはコア営業利益で、これまで営業外損益扱いで除外されていた持分法損益等を含む。

2017年4月に三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンを統合し、三菱ケミカルにしたのに伴い、2018年3月期のセグメントを変更した。

MMA部門の営業利益の伸びが大きい。特にモノマーの市況が上昇した。MMAのコア営業利益は1096億円となり、前年を717億円上回り、 これは全社の増益額とほぼ同じである。

MMA部門の営業利益が大き過ぎ、将来、状況が変われば、影響は大きい。
1990年の三菱油化のスチレンモノマーの利益は200億円とも300億円とも言われた。翌年にはバブルがはじけ、これがほぼゼロとなり、同社の損益悪化が三菱化成との統合に至った。

旧三菱レイヨンのMMA部門と、田辺三菱製薬、大陽日酸のコア営業利益を加えると2,481億円となり、全体の65%を占める。

IFRS コア営業損益対比(億円)    
  2017/3 2018/3 前年比 増減内訳 2019/3
予想
売買差 数量差 コスト
削減
機能部材 623 580 -43 -141 133 99 -93 625
機能化学 319 360 41 325
MMA 379 1,096 717 646 100 50 57 910
石化 209 259 50 230
炭素 38 124 86 165
産業ガス 521 575 54 -9 45 16 2 615
ヘルスケア 984 812 -172 -2 40 25 -235 730
その他 2 -1 -3 0 -8 2 3 -50
合計 3,075 3,805 730 494 310 192 -266 3,550

     その他差には、受払差・持分法投資損益差等の金額が含まれる。


田辺三菱製薬の実績は以下の通り。
2017年度よりIFRSを適用。(三菱ケミカルHDの出資比率は56.3%)

単位:億円 (配当:円)
売上高 営業損益 コア営業利益 税引前損益 株主帰属損益   配当
中間 期末
2016/3 4,258 818 1,070 833 593 22 24
2017/3 4,240 941 945 961 713 24 28
2018/3 4,339 773 785 788 580 38 28
前年比 99 -168 -160 -173 -133 14 0
2019/3 4,350 670 700 675 470 28 28

コア営業利益は、後期開発へのステージアップやNeuroDerm社の買収などによる研究開発費の増加により減益となった。

2017/7/27 田辺三菱製薬、イスラエルの医薬品企業 NeuroDermを買収


2014年下期から連結対象とした大陽日酸の業績は下記の通り。 
2017年3月期よりIFRSを適用(2016/3もこれに組換え)。(三菱ケミカルHDの出資比率は50.7%) 

単位:億円 (配当:円)

売上高 営業損益 コア営業利益 税引前損益 株主帰属損益   配当
中間 期末
2016/3 5,944 489 475 466 290 7 9
2017/3 5,816 537 547 502 347 9 11
2018/3 6,462 599 600 559 489 11 12
前年比 646 62 53 57 142 2 1
2019/3 6,700 645 640 600 400 12 12

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