主要企業の2018年3月決算 - 住友化学

| コメント(0)

2018年3月期からIFRS方式に変更した。(下記では2017年3月期もIFRSに組み替えたもので対比した。)

住友化学の場合、シンガポールのTPCやサウジのPetroRabigh などは持分法損益で、この2年はこれが急増しており、コア営業損益の増加(特に石油化学)が大きい。


三菱ケミカルと同様、大日本住友製薬など高収益企業の少数株主帰属利益分が大きい。

単位:億円 (配当:円)
売上高 営業損益 うちコア うち
持分法
税引前
損益
法人
所得税
税引後
損益

うち

配当(円)
少数株主 株主帰属 中間 期末
2017/3 19,390 1,265 1,845 422 1,223 132 1,091 326 765 7.0 7.0
2018/3 21,905 2,509 2,627 553 2,408 627 1,782 444 1,338 10.0 12.0
前年比 2,515 1,245 781 131 1,185 494 691 118 572 3.0 5.0
2019/3 24,900 2,050 2,400 1,300 11.0 11.0


営業損益のうち、コアに含まれない非経常的損益は下記の通り。(億円)

2017/3 2018/3
事業構造改善費用 -182 -142
減損損失 -365 -89
固定資産売却益 10 68
公正価値変動 -65 61
段階取得差益 28
その他 -7 -16
合計 -581 -118

営業損益

2017/3以降はIFRS方式の「コア営業損益」で、持分法損益を含む。
それ以前の持分法損益(大部分が石油化学)は15/3 239億円、16/3 202億円

営業損益対比(億円)           
2017/3 2018/3 増減 内訳 2019/3予
価格差 コスト差 数量差等
石油化学 589 946 357 175 20 162 630
エネルギー・機能材料 60 192 132 10 20 102 200
情報電子化学 87 123 36 -125 135 26 200
健康・農業関連 474 440 -35 -120 0 85 590
医薬品 699 948 249 0 -170 419 810
その他 101 111 9 0 0 9 110
全社 -165 -132 33 - - 33 -140
1,846 2,627 781 -60 5 836 2,400

石油化学:MMAや合繊原料が交易条件改善
     シンガポールやサウジの持分法損益が大きく改善
     ライセンス収入増       

エネルギー・機能材料:アルミ市況上昇
            レゾルシンやエンプラの販売数量増

情報電子化学:偏光フィルム、タッチセンサーパネルの売価大幅減

       偏光フィルムの出荷は増、原料合理化、出荷増でコストダウン。

健康・農業関連:メチオニンの価格下落
        インドの
Excel Crop Care 新規連結

医薬品:研究費、販売費増。米国でラツーダ等の出荷増。



大日本住友製薬の業績は次の通り。  (住友化学出資比率 50.22%)

単位:億円 (配当:円)
売上高 営業損益 うちコア 税引前
損益
法人
所得税
税引後
損益
配当(円)
中間 期末
2017/3 4,084 403 644 428 115 313 9.0 11.0
2018/3 4,668 882 906 849 314 534 9.0 19.0
前年比 585 479 262 421 200 221 0.0 8.0
2019/3 4,670 530 770 550 9.0 11.0

左は従来の日本方式、右はIFRS方式(特別損益等を含む。コア損益が従来の営業損益に近い)


日本では、後発医薬品の使用促進による大幅減収で減益
北米では、「ラツーダ」や抗てんかん剤「アプティオム」の売上が拡大、円安の影響もあり、大幅な増収増益

コメントする

月別 アーカイブ