純利益が前期比51%増の2662億円となり、10年ぶりに過去最高を更新した。
塩化ビニル樹脂や半導体シリコンウエハーなどの値上げが進み、採算性が改善した。
米国の法人税引き下げに伴い、Shintechの税金費用が一時的に約300億円減ったことも純利益を押し上げた。
Shintechが100%子会社であることから、連結損益のほとんどが株主帰属損益であり、株主帰属損益では三菱ケミカルを大きく上回る。
(三菱ケミカルHDの2月6日発表の予想では、当期損益は2660億円だが、株主帰属損益は2000億円)
単位:億円 (配当:円) |
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年間配当は20円増の140円とし、3期連続で増配する。
営業損益は下記の通り。
営業損益推移 (単位:億円)
セグメント | 16/3 | 17/3 | 18/3 | 増減 | |
塩ビ・化成品 | 447 | 532 | 932 | 401 | Shintechがフル操業を継続、日本と欧州も好調 世界能力 PVC 415万トン、NaOH 166万トン 米国エチレン(50万トン)は2018年末完成予定 |
シリコーン | 415 | 425 | 520 | 94 | 全分野・用途で需要伸長 |
機能性化学品 | 182 | 222 | 257 | 35 | セルロース誘導体は、医薬用製品、建材用製品及び塗料用製品が底堅く推移、フェロモン製品やポバール製品ほかも総じて堅調な仕上がり |
半導体シリコン | 469 | 560 | 930 | 370 | 旺盛な半導体デバイス需要に対応、製品価格も修正 |
電子・機能材料 | 515 | 552 | 616 | 64 | 希土類磁石、フォトレジスト製品、等々、いずれも好調 |
その他 | 56 | 96 | 115 | 19 | |
全社 | 1 | -1 | -2 | -0 | |
合計 | 2,085 | 2,386 | 3,368 | 982 |
Shintech の能力は次のとおりとなる(単位:万トン)。
立地 PVC VCM カ性ソーダ エチレン Texas州 Freeport 145 - - Louisiana州 Addis 58 - - Plaquemine 60 160 106 今回増設 32 30 20 50 合計 295 190 126 50
増設分はエチレン以外は2016年度に既に稼働している。
エチレンは2018年初めの完成予定であったが、地盤の問題で杭工事の手直しが相当量発生し、2018年末完成予定となった。
(東洋エンジはこれによる同社のコスト増負担を266億円と発表した。)2014/4/17 Shintech、米国でエチレン工場の建設許可を申請
2017/5/24 東洋エンジニアリングの決算 米国エチレンプロジェクトで損失
今期はShintechの業績を発表していない。
信越の塩ビ・化成品の営業損益は前年比401億円の増益としており、かなりの部分がShintechと思われる。
更に、米国の法人税引き下げに伴い、税金費用が一時的に約300億円減ったことも純利益を大きく押し上げた。
2018年度では、税金減の影響は無くなるが、エチレン自製の効果が出る。
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