中国、米国原産の輸入コーリャンへの反ダンピング、反補助金調査を打ち切り

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中国商務部は5月18日、公告44号で、米国原産の輸入コーリャンの反ダンピング調査、反補助金調査を打ち切ると発表した。


商務部は2月4日に反ダンピング及び反補助金調査の実施を発表した。

4月17日には、反ダンピングでクロの仮決定を行い、一律 178.6%の保証金の徴収を開始した。

米国産の輸入が急増しており、問題であるとした。

2013 2014 2015 2016 2017/1-10
輸入量(万トン) 31.7 541.9 896.6 586.9 425.8
金額(万ドル) 9,181 151,736 247,147 126,055 84,631

反ダンピング調査の最終決定を追って行うとともに、反補助金調査を続けるとしていた。

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今回、商務部は下記の理由で、反ダンピング、反補助金調査を打ち切るとした。これまでに徴収した反補助金の保証金は返却する。

調査の過程で、多くのユーザーの声を聞いた。

輸入コーリャンへの反ダンピング措置で消費者の生活費が上がる。(コーリャンは白酒の原料、食用、飼料、エネルギー源として使われる)

家畜の飼料にも使われるが、国内の豚肉の価格は下がっており、飼料値上がりで養豚業者の生活が苦しくなる。

これは公共の利益に反する。

参考 

反ダンピング課税は、被害を受ける国内メーカーの保護のためのものであり、安値の輸入が減ると、国内価格に影響を与えるのは当たり前の話である。

国内メーカーの要請で反ダンピング課税を行いながら、消費者の声を重視して調査を打ち切るのは、おかしな話である。

反ダンピングのクロの仮決定は、米国による国有通信機器大手、中興通訊(ZTE)への制裁の翌日になされており、米制裁への報復措置とみられていた。

2018/4/19 米国が中国通信機器大手 ZTEへの製品販売を7年間禁止

中西部の農業生産地域のうち8つの農業州がトランプを大統領選で勝利に導いた重要な票田となっており、中国の輸入対応措置でこれらの地域の経済は直接影響を受け、大統領に政治的に大きなダメージを与える。


中国は、コーリャンへの追加課税を取り下げることで米国にも譲歩を迫る狙いがあるとみられる。


米中両政府は5月17、18の両日、ワシントンで「貿易戦争」回避に向けた2回目の閣僚級会合を行った。

1日遅れの共同声明で、「米国の対中貿易赤字を減らすため、中国が米国の農産品やエネルギーとサービスの輸入を大幅に増やすことで合意した」と表明した。数値目標などには触れなかった。両国の見解として「知的財産権の保護は重要だ」とも付記した。
ムニューシン米財務長官は「貿易戦争は当面保留する」と述べた。制裁関税を棚上げし、貿易不均衡是正のための具体案を詰める。

黒字圧縮と引き換えに習主席が大統領に自ら求めた通信機器大手、中興通訊(ZTE)の制裁問題には触れていない。

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