貿易赤字削減へ関税引き下げを求めてきたトランプ米政権に中国側が歩み寄った。
自動車については、現在税率が25%の(関税番号での)135種と現在20%のトラック4種を引き下げ、全て15%にする。
自動車部品については、現在、8%、10%、15%、20%、25%の(関税番号での)79種を引き下げ、全て6%とする。
詳細 http://gss.mof.gov.cn/zhengwuxinxi/zhengcefabu/201805/P020180522506508786661.pdf
習近平国家主席は4月10日、博鰲(ボアオ)アジアフォーラムで演説し、自動車への輸入関税を今年引き下げ、自動車合弁の外資出資規制を緩和する方針をあらためて表明した。
輸入を拡大したいと心から考えていると説明、できるだけ早く関連の政策を打ち出すように取り組むと述べた。
中国の昨年の輸入車数は122万台で、中国の自動車販売全体(2887万台)の4.2%程度を占めた。中国で外資メーカーは現地合弁工場による地産地消で多くの車種を国内生産するが、高級車の輸入が多い。
2017年に最も輸入台数が多かったブランドは独BMWの18万7千台で、2位は独ダイムラーのMercedes-Benzの18万3千台。トヨタは約14万台を日本から輸出 、日産は約2万3千台を日米英の工場から中国に輸出した。スバルは中国向けの車両を日本から全量輸出しており、2万7千台を販売した。
付記
これとは逆に、トランプ大統領は5月23日、自動車や自動車部品を対象に安保を理由に輸入制限を課せる通商拡大法232条に基づく調査を指示した。「自動車や自動車部品などの中核産業は国家としての強さに重要だ」との声明を出した。
商務省は乗用車やトラック、自動車部品を対象に調査を始めた。鉄鋼に課した輸入制限と同様に、車の輸入増が安保上の脅威になっているか調べる。
米メディアによると乗用車の関税を25%に引き上げる案が浮上している。
中国政府は4月17日、自動車分野における外国企業の出資制限を2022年までに順次、撤廃すると発表した。
現在、中国メーカーと合弁を組むことが義務付けられ、合弁先への出資比率も50%以下に制限されている。
計画では、年内に電気自動車(EV)など新エネルギー車の生産会社で出資制限を撤廃し、2020年に商用車、2022年に乗用車に拡大する。
外国メーカー1社が設立できる合弁企業数を原則2社に制限している規制も撤廃される見通し。
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外紙は、中国通信機器大手、中興通訊(ZTE)の制裁緩和で米中が合意に近づいたと報じた。中国メディアによると、米国の制裁緩和の条件として、ZTEが経営体制の刷新に同意し、生産再開の準備を始めたという。
しかし、トランプ米大統領は5月22日、「まだ合意していない。様々な取引を話し合っている」と明らかにした。制裁を見直す場合、13億ドルの罰金や経営陣刷新が条件になるという。
中国と進める包括的な貿易交渉の進捗には「満足していない」と述べた。
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