アゼルバイジャンのカスピ海沖のShah Deniz ガス田第2期のガスの欧州向け輸送ルートである Trans-Anatolian gas pipeline(TANAP)の完了部分の開通式が6月12日、トルコのEskisehirで行われた。
初のガステストは本年1月23日に開始されている。
Shah Deniz ガス田の天然ガスをロシアを経由せずに欧州に送るもので、ガス田から South Caucasus Pipeline (アゼルバイジャン~ジョージア)で送られたガスを、ジョージア国境のArdahanからトルコを横断し、欧州に渡ってギリシャ国境のEdirneまで送り、Trans Anatolian Pipeline 経由でイタリアから既存のパイプラインで欧州に送るもの。
TANAPは全長1850kmで、今回、Ardahan からEskisehirまでの1340kmが完成した。
TANAPの開通時の輸送能力は年間160億立方メートル で、60億立方メートルはトルコに、100億立方メートルはヨーロッパに運ばれる。
その後、まず220億立方メートル、その後投資により310億立方メートルに引き上げる目標がある。
エルドアン大統領は式典で行った演説で、「エネルギーのシルクロード」と呼び、ギリシャ国境への最初のガス供給を2019年6月に行うことを目指していると述べた。
TANAPはアゼルバイジャン国営石油会社のSOCARが運営する。
TANAPの株主は次の通り。
当初 現在 SOCAR 80% 58% TRAO(トルコ石油) 15% ー BOTAS(トルコのパイプライン会社) 5% 30% BP 12%
Shah Deniz consortium (BP, Statoil and Total) は29%出資のオプション権を持っていたが、BPだけが権利を実行した。
なお、ロシア側の、ウクライナを迂回してロシアから欧州南部に天然ガスを輸送するパイプライン South Stream 計画は、2014年12月に中止となった。
EUの規制で、ブルガリアが認可しないことが理由である。
2014/12/4 ロシア、South Stream 計画を取り止め
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Shah Deniz ガス田第2期は世界最大級の天然ガス開発計画。
Shah Deniz コンソーシアムのメンバーは以下の通り。
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Shah Deniz ガス田第1期は年産90億立方メートル。TANAPで輸送する第2期は年産160億立方メートルで最近完成した。
2010年6月、トルコとアゼルバイジャンがこの天然ガスの供給をトルコが受けることで覚書に署名した。
トルコが60億立方メートルを購入するのに加え、残り100億立方メートルを欧州など他国へ再輸出する権利を持つ。
OperatorのBPは、輸送ルートとして、トルコから北へ送るNabucco Gas Pipeline と、イタリアに送るTrans Anatolian Pipelineの2案を検討した。
2013/5/10 BP、アゼルバイジャン産ガスの欧州向け輸送ルート検討
BPは2013年6月、Azerbaijan のカスピ海沖のShah Deniz ガス田第2期のガスの欧州向け輸送ルートをTrans Adriatic Pipeline (TAP) に決めたと発表した。
2013/7/2 アゼルバイジャン産ガスの欧州向け輸送ルート決定
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