韓国ロッテの辛東彬会長、日本のロッテHDの取締役に留任

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ロッテHDは6月29日に東京の本社で開いた定時株主総会で、辛東彬(重光昭夫)・韓国ロッテグループ会長の取締役留任が決まった。

辛東彬会長の兄、辛東主(重光宏之)元ロッテHD副会長が、経営権奪還を模索し、辛東彬(重光昭夫)の取締役解任と自らの取締役選任の議案を提出したが、いずれも否決された。


辛東彬会長は今年2月、懲役2年6カ月の実刑判決を言い渡され、現在収監されている。

ソウル中央地裁は2月13日、朴槿恵前大統領の親友で、大企業から資金拠出を強要したとして職権乱用罪などに問われた崔順実被告らの裁判で、贈賄罪で在宅起訴された韓国ロッテグループの重光昭夫(辛東彬)会長に対して懲役2年6月の実刑判決を言い渡した。

会長はロッテグループの企業内の不正事件で懲役1年8カ月、執行猶予2年 の判決を受けており、今回の有罪で執行猶予が無効となり、懲役は合計4年2か月となる。

2018/2/13 朴前大統領親友に懲役20年、ロッテ重光会長も実刑

判決後、ロッテHDの代表取締役を辞任したが、取締役としてはとどまっている。

今回、東主氏は韓国で実刑判決を受けた東彬氏が取締役にとどまることは経営の原則に見合わないと訴えていた。

東彬氏は経営権防御に向け、株主総会出席のための仮保釈を申請したものの決定が遅れ、今回の株主総会に出席できなかった。

付記

2019年2月20日、辛東彬(重光昭夫)ロッテグループ会長が1年ぶりに日本ロッテホールディングスの代表取締役に就任し、日本ロッテ経営に復帰した。

拘束中だった2018年2月21日、ロッテホールディングスの代表取締役から自ら退いた。

今回、ロッテホールディングスは再び佃孝之社長との2人体制に転換する。

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2015年7月17日、韓国ロッテの会長でロッテHDの取締役副会長の重光昭夫(辛東彬)氏が、ロッテHDの代表取締役副会長に就任した。
重光武雄(辛格浩)会長、重光昭夫副会長、佃孝之社長の代表取締役3人体制となった。

直後の7月28日、ロッテHDは取締役会を開き、創業者の重光武雄会長が代表権を外れ、名誉会長に就く人事を決めた。

創業者の重光武雄(辛格浩)氏の長男 重光宏之(辛東主)氏と次男 重光昭夫(辛東彬)氏の内紛の結果とされる。

ロッテHDは8月17日、臨時株主総会を開き、重光昭夫副会長を中心とした体制で経営を続けると確認した。

2015/8/19 ロッテ、次男中心の体制に 

兄弟による経営権争いが2015年7月に表面化して以降、兄弟がロッテHDの株主総会で対決するのは5回目で、東彬氏は過去4回と同様、今回も勝利した。

兄の東主氏は、ロッテHDの株式の28.1%を保有する光潤社の株の「50%+1株」を保有する。

弟の東彬氏は、ロッテHDの株を4.0%所有(以前の1.38%からアップ)、従業員持株会(27.8%)、役員持株会(6.0%)、関連会社(13.9%)などが支持した。

東主氏はロッテHDの取締役を解任され、その後にグループ会社の取締役を解任されたのは不当だとして日本で損害賠償請求訴訟を起こしたが、本年3月に敗訴した。
東京地裁は、東主氏が経営者としての適性に疑問を抱かせる事業を進めたとして、解任には正当な理由があるとの判断を示した。

財界は、東彬氏が韓国ロッテを事実上支配するロッテHDの取締役にとどまることで韓・日ロッテの協調が維持され、支配構造改編に向けたグループの取り組みが順調に進む可能性が高いとみている。

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