韓国ロッテの構造改革

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辛東彬(重光昭夫)会長は2015年に、不透明な支配構造を改善するため、グループ企業間で株式を持ち合う「循環出資」をなくし、持ち株会社制へ移行する方針を明らかにした。

循環出資を減らすことで支配構造が単純化し、投資と事業部門を分離することで経営効率が上がり、経営が安定するとみられている。


その第一弾として、
2017年10月12日にロッテ製菓など系列4社の投資部門が統合した持ち株会社「ロッテ持ち株株式会社」(Lotte Corporation) が正式に発足した。

同社は2018年2月27日に発足後最初の株主総会を開催し、韓国富士フイルムやロッテ商事など非上場系列6社の編入を承認し、4月1日付で統合した。

韓国のロッテグループのうち、下記の各社は統合に参加していない。今後、時間をかけて統合すると思われる。

 旅行、サービス:Hotel Lotte、Lotte World、Lotte Rental、Rotte Duty Free 等

 重化学:Lotte Chemical、Lotte Advanced Materials(ABS関連)、Lotte Fine Chemical、
     Lotte Engineering & Construction、Lotte Aluminum 等

 その他


以前の循環出資の状況は下図の通り。

韓国ロッテグループは2017年10月12日、ロッテ製菓など系列4社の投資部門が統合した持ち株会社「ロッテ持ち株株式会社」(Lotte Corporation) が同日正式に発足したと発表した。

ロッテ製菓、ロッテショッピング、ロッテ七星飲料、ロッテフードの4社を投資部門と事業部門に分割した上で、ロッテ製菓の投資部門が残り3社の投資部門を吸収する形で形成された。

2017/8/31  韓国ロッテグループ、持ち株会社制へ一歩

その後2018年4月1日付で、ロッテ情報通信、韓国富士フイルム、ロッテ商事、ロッテGRS (旧ロッテリア)、物流企業のロッテロジスティクス、広告代理店事業を手掛ける大興企画(Daehong Communications)の6社が統合された。

現在、子会社が23社、子会社の子会社が27社となっている。

統合後の状況:

Lotte Confectionary(ロッテ製菓)が他社の投資部門を吸収してLotte Corporation となったため、下図の子会社には含まれていない。


現在の株主構造は下図の通り。

2018/6/22日経によると、創業者の辛格浩(重光武雄)が2.78%、次男の辛東彬(重光昭夫)が10.54%、長男の辛東主(重光宏之)が0.15%となっている。

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