Novartis、眼科分野の子会社 Alcon を分離・上場

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スイスのNovartisは6月29日、眼科分野の子会社Alconをグループから分離すると発表した。
2019年前半にスイス証券取引所とニューヨーク証券取引所に上場させる。時価総額は250億ドル以上とみられている。

売上高は約70億ドルで従業員は2万人以上の規模になる。

Alconはコンタクトレンズや眼科手術用の医療器具の世界大手。

Novartisは2007年に医療用栄養食品のMedical Nutrition とベビーフードのGerberをNestleに売却したが、代わりにNestleからAlconを買収した。(2008年に25%、2010年に52%で、合計77%)

Novartisは2014年4月22日、大規模な事業再編を発表した。

GlaxoSmithKline (GSK) から抗がん剤製品群を買収するとともに、大衆薬事業はGSKの事業と統合し、GSK主体のJVとする。
更にインフルエンザ以外のワクチン事業をGSKに売却する。
これとは別にインフルエンザワクチンの売却を進めており、動物薬事業はEli Lillyに売却する。
(インフルエンザワクチン事業は2014年10月、オーストラリアのワクチン大手CSLに275百万ドルで売却すると発表した。)

2014/4/25 Novartis、GSKとの取引等で事業再編 

これにより、Novartisは事業を医薬品、Eye care製品、大衆薬事業(Generics) の3つに絞り込んだ。

しかしその後、Alconは業績が伸び悩んでおり、Novartisはこれを自社で再建するか、株式の上場や売却で切り離すかを検討していた。
今回、Novartisは「100%の分離が株主の利益とNovartisの戦略にとって最適だ」と述べた。

なお、Alconの眼科用の医療用医薬品はNovartis本体に残す。



Novartisは2018年3月末に上記のGSKとの大衆薬事業JVの持分をGSKに130億ドルで譲渡することで合意した。

Novartis は2018年4月9日、遺伝子治療薬開発の米 AveXis Inc. を87億ドルで買収すると発表した。

2018/4/26 Novartis、遺伝子治療薬開発のAveXis を買収

今回のAlconの分離で、医薬品、Eye care製品、Generics の3分野のうち、後の2分野を切り離すこととなり、医療用医薬品に経営資源を集中させる。

Novartisは同日、50億ドルの自社株買いを実施することも発表した。2019年末までに終える。

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