ADEKA、日本農薬を子会社化

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ADEKAは8月21日、日本農薬を子会社化すると発表した。 総額約250億円を投じ、TOBや第三者割当増資を通じて、持ち株比率を現在の24%から51%に引き上げる。

第三者割当増資 140億円
公開買付    108.5億円

ADEKA(旧社名 旭電化工業)は樹脂添加剤や情報・電子化学品、機能化学品や 、マーガリン類などの食品が主力事業で、新領域として再生医療などライフサイエンス分野に取り組んでおり、日本農薬が持つ合成技術が生かせると判断した。

ADEKAは現在、子会社分を合わせ日本農薬の株式の24.21%を所有し、持分法適用関連会社としている。

今回、日本農薬の第三者増資の引き受けと公開買い付けを組み合わせ、出資比率を51%とし、連結子会社とする。

なお、今後も日本農薬の社名で東証第一部への上場を維持する。

両社は以下の内容の業務提携を行う。

(ア) 研究開発領域の相互補完による開発スピードの向上
 1)ライフサイエンス分野の強化
 2)化合物データベースの活用

(イ) 生産技術・プロセス化学の相互活用による生産性の向上

(ウ) グローバル・ネットワークの相互活用による販売チャネルの拡大

(エ) 合成反応、分散技術、分析技術等の技術提供による高機能化合物の開発

(オ) 多分野の知見を有する研究員の交流


社は古河グループに属し、日本農薬はADEKA(旧社名 旭電化工業)の農業薬品部門であった。

旭電化は1915年に古河合名会社が中心となって設立し、電解法による苛性ソーダを製造した東京電化工業所が祖である。それまで輸入に頼っていたソーダ製品を国産化することが狙いである。

1917年に株式会社組織に改め、旭電化工業してスタート、1919年に水素利用による硬化油の製造を開始して、ソーダと油脂の二本柱による化学工業への展開を確立した。その後、マーガリンの製造で食品に進出し、現在、「化学品」と「食品」という2つのコアビジネスを基盤としている。

1920年代初頭に古河電気工業が、古河鉱山の銅精錬の副産物利用の研究を足掛かりに、農業用薬品の研究開発を行った。
この事業は旭電化で事業化された。

1928年に旭電化の農業薬品部門と藤井製薬が合併し、我が国初の農薬専業メーカー 日本農薬が誕生した。
現在では、
農薬以外の化学品分野(医薬品・医薬部外品・動物用医薬品等)において、豊富な品目ポートフォリオを構築している。

この経緯で、ADEKAは長年に亘って出資を行っており、役員派遣をはじめとする人材交流や、研究開発部門・生産部門における情報交換を実施する等、長年に亘って良好な関係を構築してきた。

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