日本発の自動車向け急速充電規格「CHAdeMO(チャデモ)」の普及を担うチャデモ協議会は8月22日、中国の 規格「GB/T」を推進する中国電力企業連合会と新たな規格作りに乗り出すと発表した。8月28日に北京で覚書を結ぶ。
現在の日本の充電器は出力約150キロワット、中国は約50キロワットだが、2020年をめどに同一規格で最大900キロワットの充電器の開発を目指す。充電時間も現在の30~40分から、最短で10分以下に短縮される。 充電器と車をつなぐコネクターや充電を制御するソフトウエアなどの仕様を統一する。
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電気自動車は世界で普及が進み始めているが、急速充電器とクルマをつなぐ充電口の形状などの規格は、各国や地域で異なっている。
画像ソース http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1407/02/news014.html
日本の自動車メーカーや電力会社などが開発したCHAdeMO方式 の充電器は、国内や欧米で約18千台、中国が日本の技術をベースに開発したGB/Tは中国国内で約220千台設置されている。
これに対し、欧米のCombined Charging System(Combo、CCS) は約7千台設置されている。
Combined Charging Systemは、日本のCHAdeMOに対抗するものとして、2012年に米国とドイツの大手自動車メーカー8社(GM、Ford、Chrysler、BMW、Daimler、Volkswagen、Audi、Porsche)が規格作りを発表したもの。普通充電と急速充電の両方を1個の充電コネクタでカバーすること、直流電力を使った充電にも対応するのが特徴。
なお、Teslaは独自の充電器Superchargerを使っているが、最新のModel S、Model X は中国市場向けにGB/T も使えるようにしている。
日本のCHAdeMO と中国のGB/Tは通信プロトコルにController Area Network(CAN) を使い、欧米はHomePlug Green PHY (HPGP) を使用している。
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日本と中国が同一の通信プロトコルを使っていることが、今回の共同規格作りにつながった。
業界団体と乗用車だけでなくバスやトラックに対応する高出力の規格を2020年に決める。日中で規格を統一すればシェアは9割を超え、電気自動車を充電する規格の国際標準になる可能性がある。
新規格が実用化するとトラックやバスなど車体が大きい商用車に使う大容量電池を容易に充電できるようになる。既にある日中のEV乗用車にも使え、複数の車両を同時に充電できる。電池の改良が進めば充電の時間も減らせる。
規格作りは中国側が主導してとりまとめる。日本側は充電器の技術やノウハウを提供する。2020年に新規格を策定し、中国側は対応した充電器を同年に設置したい考え。準備が整い次第、日本も導入する。
チャデモ協議会の事務局長は、「欧米勢が参加を望み、譲歩をするのであれば、枠組みに入っていただけることは歓迎だ」と述べている。
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