三菱商事、ペルーのケジャベコ銅鉱山の開発を決定

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三菱商事は7月27日、ペルー共和国ケジャベコ(Quellaveco)銅鉱山プロジェクトの開発意思決定を行ったと発表した。

本プロジェクトは、三菱商事は英国のAnglo American plc とともに、合弁会社のAnglo American Quellaveco S.A.を通じて推進しており、Anglo American もプロジェクト推進を決めた。

三菱商事の持分比率は19.1%であるが、本年6月14日に持分を19.1%から40%に増やすことで合意した。Anglo Americanが21.9%分を6億ドルで売却し、持ち株比率を60%とする。

6億ドルの支払いは、取引完了時に5億ドルとし、生産量が日量15万トンになった時点で50百万ドル、18万トンになった時点で残り50百万ドルとする。

追加取得に関する手続きが完了する2018年8月より、開発に向けた建設を開始し、2022年中の生産開始を予定している。


Anglo American plc は世界各国で銅、PGM(PlatinumGroupMetal)、ダイヤモンドを主力として鉱山事業を展開する資源メジャーの1社で本社をロンドンに置く。

計画概要は下記の通り。

所在地
埋蔵量 銅分換算 約7.5百万トン : 世界最大規模の未開発銅鉱山
年産量 約30万トン (生産開始後 10年間平均)
山命 約30年
生産開始予定 2022年

総開発費は、50~53億米ドルを見込んでおり、三菱商事は持分比率である40%分を拠出する。

銅は新興国での電力を含めたインフラ整備や、中国・欧州を中心としたEVシフト等により、世界的に堅調な需要の増加が見込まれて いる。

三菱商事は、資源量、品位、拡張余力等の観点で優位性の高い銅鉱山に出資しており、銅事業を資源分野の中核のひとつと位置付けてい る。
本プロジェクトの推進を通じ、銅の安定供給を実現することで、社会のニーズやあらゆるステークホルダーの期待に応え、 経済価値・社会価値・環境価値の三価値同時実現による持続的成長を目指すとしている。

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三菱商事は2016年3月期決算で1,494億円の純損失を計上した。
チリの銅事業で2710億円の減損損失を計上したのが響いた。

Anglo American Surは、チリ国内にLos Bronces銅鉱山、El Soldado銅鉱山、Chagres銅製錬所、並びに大型の未開発鉱区などの優良資産を保有する。
三菱商事はこれに20.4%出資している。(三井物産も9.5%出資)

同社の参加時点での銅の価格は8,800$/ton程度であったが、4,400$/ton程度に下落、 急回復は見込めないとして、減損損失を計上した。
同時に中長期の価格見通しを6,600$/tonに引き下げた。

2016/3/28 三井物産と三菱商事、減損損失計上で2016年3月期損益予想を大幅に引き下げ


その後の価格推移は下記の通り。

三菱商事の金属セグメントの連結損益は次の通り。

2015/3 2016/3 2017/3 2018/3
金属セグメント 139億円 -3,607億円 1,479億円 2,610億円
うち 銅関連 72億円 378億円
チリ銅事業評価減 -2,710億円

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