中国人民銀行、元安対策で外貨予約取引準備金を復活

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中国人民銀行(中央銀行)は8月3日、人民元相場の安定化に向け、市中銀行に義務付ける為替フォワード取引の準備金要件を週明け6日から20%に引き上げる方針を発表した。

これは、前回元安が進んでいた2015年8月31日付で中国人民銀行が交付した『外貨予約マクロプルーデンス管理の強化に関する通達』に基づくものである。

外国為替市場におけるドル買い元売りの強い元安圧力を緩和する狙いから、顧客向けに外貨予約(外貨買い人民元売り予約)を取り扱う金融機関に対し、2015年10月15日より中国人民銀行に外貨リスク準備金を預け入れるよう求めた。

外貨リスク準備金率は20%で、専用口座で金利ゼロで 1年間凍結される。このため、外貨リスク準備金の預入は、外貨予約取扱に係るコストの上昇に直結する。

中国人民銀行は2017年夏に元高基調に戻ったのを受け、2017年9月11日以降、元の為替フォワードのポジションを決済する金融機関に適用する所要準備をゼロとし、事実上撤廃していた。

今回、元安の進行を受け、8月6日以降、所要準備を 0%から 20%に引き上げる。

米中貿易摩擦がエスカレートする中、オンショア人民元が対ドルで14カ月ぶり安値を更新していたことが背景にある。

投資家の元売りコストを増やして元急落を抑制するもので、直接的な元買い・ドル売り介入ではないため、効果は未知数である。
(前回も、2015年10月15日の施行以降、2016年末まで急下降が続いた。)

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