東芝メモリ 四日市工場 第6製造棟およびメモリ開発センターの竣工

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東芝メモリとWestern Digitalは9月19日、3次元フラッシュメモリを製造する東芝メモリ四日市工場の第6製造棟およびメモリ開発センターの竣工式を行った。

両社は、成膜、エッチングなどの最先端生産設備の導入を進め、今月から96層積層プロセスを用いた3次元フラッシュメモリの量産を開始した。3次元フラッシュメモリは、エンタープライズ用サーバ向けやデータセンター向けSSDおよびスマートフォン向けを中心に需要が伸びており、長期的な市場の拡大が見込まれており、今後、市場動向に応じて追加投資を行い、生産体制を拡充する。

第6製造棟に隣接したメモリ開発センターは今年3月から運用を開始しており、3次元フラッシュメモリの開発を進める。

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第6製造棟は、3次元フラッシュメモリ固有の工程を行う製造棟として、東芝メモリが2017年2月に着工した。

東芝メモリの売却にからむ東芝とWestern Digital の争いのなかで、東芝は2017年8月に四日市工場への単独投資を発表した。

2017/8/8 東芝、東芝メモリの増設を単独実施

両社は2017年12月に和解して共同投資に戻った。

東芝と Western Digital は2017年12月13日、係属中の仲裁および訴訟を解決し、フラッシュメモリ事業に関する協業を一層強化していくことに合意したと発表した。

本合意の一環として、東芝、東芝メモリおよびWestern Digital は全ての係属中の仲裁および訴訟の取り下げに合意した。

フラッシュメモリ事業に関する既存の合弁会社の契約期間を延長し、協業を強化する。(下記)

次世代 3次元フラッシュメモリBiCS FlashTM生産のための製造棟である建設中の四日市工場第6製造棟への今後の設備投資について、共同で実施する。

また、岩手で建設が計画されている新製造棟へのWestern Digitalの参画に関する最終契約について、協議していく予定。

四日市工場のNAND型フラッシュメモリの生産体制は次の通り。

  JV 引取比率
第3製造棟 Flash Partners(東芝 50.1% / SanDisk 49.9%)
2019/12/31 まで延長済
当初は均等引取

2008/10 改組:30%分は東芝が単独運営、70%分は従来通り JVで均等引取

SunDiskが韓国サムスン電子に買収提案を受けた。東芝はSunDisk保有分の生産設備を買い取って資金支援した。

第4製造棟 Flash Alliance(東芝 50.1% / SanDisk 49.9%)

2029/12/31まで延長

第5製造棟 Flash Forward(東芝 50.1% / SanDisk 49.9%)

2027/12/31 まで延長

均等引取
新第2製造棟
第6製造棟 東芝単独

共同で投資

 


2017/4/14 東芝の半導体売却に新たな難問 参照


東芝メモリは2018年8月31日、同社を東芝から買収した㈱ Pangea と合併した。合併後の社名は東芝メモリとなる。

新しい東芝メモリの概要は次の通り。

会社名 東芝メモリ株式会社
資本金 4,734億2万5千円
大株主及び
持株比率
(議決権ベース)
BCPE Pangea Cayman, L.P. 49.9%
(Bain Capital 子会社)
東芝 40.2%
HOYA 9.9%


2017/9/30 
東芝メモリの株式譲渡契約締結

  

なお、東芝メモリは2018年7月24日、3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH™」の生産能力の増強を目的とした岩手県北上市において初となる製造棟の起工式を行った。2020年の量産開始を目指す。

エンタープライズ用サーバ向けやデータセンター向けSSDおよびスマートフォンを中心とした3次元フラッシュメモリの中長期的な市場拡大に対応できる生産体制を四日市工場と連携を図りながら確立し、さらなる事業競争力強化を図る。

これについて東芝メモリは、引き続き共同投資を行うべく Western Digital と協議を進めているとしている。

北上計画については 2017/9/7 東芝メモリの売却、9月13日に決定 参照

Western DigitalのCEOは7月にメモリー市況の悪化を受け、「東芝メモリと協議して短期の投資計画を見直す」と言及しており、今後も市況見通しや投資計画を巡って両社がすれ違う可能性は残る。

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