今年のIg Nobel Prize 贈呈式が9月13日、米ハーバード大で開催された。
受賞理由は「座位で行う大腸内視鏡検査―自ら試してわかった教訓」。
大腸がん検診などで受ける内視鏡検査は、通常は横に寝た状態で肛門から内視鏡を体内に入れていく が、同氏は、痛みや不快感を減らす方法を探していて、座った姿勢のままで受ける方法を思いついた。
椅子に腰掛けて少し股を開き、口径の小さな内視鏡を自分の肛門にゆっくり入れてみたところ、「驚くほど容易にできた」という。計4回試し、内視鏡の入れにくさと、感じる痛みや不快感がそのたびに異なることも発見した。
同病院では、日帰りで手軽に検査を受けてもらおうと覚めやすい鎮静剤を用いるなど工夫し、検査数は地方の病院としては異例の年1万5千人に達し、全国的に注目されている。ただ、座った姿勢で医師が内視鏡を入れる検査は、恥ずかしがって受けたがらない人が多く、採用していないという。
他の受賞は以下の通り。
医学賞 | "Validation of a Functional Pyelocalyceal Renal Model for the Evaluation of Renal Calculi Passage While Riding a Roller Coaster"
腎臓結石を取り除く方法:ローラーコースターの後ろの席に乗る。 3Dプリンターでつくった腎臓模型に尿と偽物の石を入れ、Big Thunder Mountain Railroad などに60回乗ってテスト。 |
人類学賞 | "Spontaneous Cross-Species Imitation in Interaction Between Chimpanzees and Zoo Visitors"
動物は真似をしないとされてきたが、動物園での観察で、チンパンジーは、人間がチンパンジーの真似をするのと同じように、多く、又うまく、人間の真似をすることが判明。 |
化学賞 | "Human Saliva as a Cleaning Agent for Dirty Surfaces"
人間の唾で汚れた表面を拭くと、金メッキした表面では他のクリーナーよりも綺麗に拭ける。その原因となる成分を発見、洗剤用合成唾の開発に道。 |
医学教育賞 | "Colonoscopy in the Sitting Position: Lessons Learned From Self-Colonoscopy"
上記 |
文学賞 | "Life Is Too Short to RTFM: How Users Relate to Documentation and Excess Features in Consumer Products"
複雑な商品を使うほとんどの人はマニュアルを読まない。人生は短く、マニュアルを読んでいる暇はない。 |
栄養学 | "Assessing the Calorific Significance of Episodes of Human Cannibalism in the Paleolithic"
人肉は他のほとんどの肉よりも著しく低カロリーである。 |
平和賞 | "Shouting and Cursing While Driving: Frequency, Reasons, Perceived Risk and Punishment"
自動車の運転中に叫んだり罵ったりする頻度、背後のストレスファクター、交通安全への影響の測定(大事故発生率が高い) |
生殖医学賞 | "Nocturnal Penile Tumescence Monitoring With Stamps"「切手による夜間陰茎勃起現象の調査」
勃起不能は精神的なものと、他の病気(糖尿病、りんぱ腫、動脈硬化など)によるものがある。 |
経済学賞 | "Righting a Wrong: Retaliation on a Voodoo Doll Symbolizing an Abusive Supervisor Restores Justice"
パワハラする上役に、身代わりのブードゥー教の人形に針を刺して復讐。 |
生物学賞 | "The Scent of the Fly"
ワインの専門家はグラス1杯のワインに1匹のハエが入っていることがにおいで分かる。 |
過去のイグ・ノーベル賞については、下記を参照。
2006/10/13 ノーベル賞とイグ・ノーベル賞 2007/10/8 2007年イグ・ノーベル賞 2008/10/4 2008年イグ・ノーベル賞 2009/10/3 2009年イグ・ノーベル賞 2010/10/7 2010年ノーベル化学賞とイグ・ノーベル賞 2011/10/1 2011年度イグノーベル賞 2012/9/25 2012年 Ig Nobel 賞に日本人の「スピーチジャマー」 2013/9/16 2013年 Ig Nobel 賞、日本の2チームが受賞 2014/9/20 2014年イグ・ノーベル賞 2015/9/22 2015年 イグノーベル賞 2016/9/24 2016年 イグノーベル賞 2017/9/15 2017年 イグノーベル賞
過去の日本人の受賞リストは 2017年 イグノーベル賞 の末尾にあります。
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