Tesla, Inc.のElon Musk CEOが8月にツイッター上で公表した株式非公開化の計画をめぐり米証券取引委員会(SEC)から訴えを起こされていた問題で、両者が和解したことが9月29日分かった。
Musk CEOは罰金の支払いに応じるほか、Teslaの会長職から退くことなどで合意した。CEOとしては留任する。
付記
TeslaのElon Musk CEOは10月4日、ツイッターでSECを "Shortseller Enrichment Commission " (空売り筋:ショートセラーを富ませる組織)に名称変更するよう促し、挑発した。
Just want to that the Shortseller Enrichment Commission is doing incredible work. And the name change is so on point!
付記
Teslaは11月7日、新たな会長にRobyn Denholm女史を指名した。同氏はこれまで、オーストラリアの通信大手、Telstra Corporation LimitedのCFOであり、2014年からTeslaの社外取締役も務めていた。また、過去にはToyota Motor Corporation Australiaに勤務し、財務管理を担当していた時期もある。
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Elon Muskは、投資家から四半期決算など短い期間で好業績を出すように圧力がかかることを嫌っているとされるが、8月7日に突然ツイッターで「1株当たり420ドルでTeslaを非公開にできないか考えている。資金は確保した(Funding secured)」と発信した。
株式市場は一時騒然としTesla株は前日比11%高となった。
その後、「資金は確保した」との発言も、サウジの政府系ファンドとの交渉での感触によるものであることが分かった。
Tesla は8月24日、株式非公開化の計画を撤回すると発表した。
Elon Musk CEO は、株式非公開化について「当初予期していたよりもはるかに時間がかかり、混乱を招くことが明らかになった」と指摘。「モデル3を普及させ、収益を改善することに注力する上で問題になる」と撤回の理由を説明した。
Tesla, Inc.のCEOのElon Muskがツイッターで株式非公開化の方針を公表した情報開示の手法をめぐり、米証券取引委員会(SEC)が同社に証言や書類提出を求める召喚状を送ったことが分かった。
米メディアが8月16日に一斉に報じた。
2018/8/21 Teslaの株式非公開化、米SECが本格調査へ
ニューヨーク南部地区連邦地裁にSECが出した訴状によると被告はMusk 氏個人で、8月7日のツイートを問題視した。1株あたり420ドルでテスラ株を買い取り、非公開にする計画を示し「資金は確保した」としていた。この発言についてSECは価格や原資が「議論も確定もしていなかった」と指摘した。
SECは訴えでMusk氏に民事上の制裁金の支払いなどのほか、公開企業の経営に関わることを禁じるよう求めている。TeslaはNASDAQに上場している。
訴えが認められれば同社の経営に大きな打撃となる。
一方でMusk氏は同日出した声明で「不当だ」と反論。「自分は常に投資家の利益を最大限考えてきた」と述べた。
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SECは9月29日、訴訟の提起からわずか2日間での「スピード和解」を発表した。
内容:
SECはTesla Inc. のElon Musk CEO兼会長との間で、証券詐欺罪問題で和解することで合意した。
同時にこの問題での開示を怠ったことでTeslaを訴え、同社は和解することで合意したElon Musk は会長職を退任し、独立した会長に交代する。Muskは3年間は会長に再就任できない。
Teslaは独立した取締役の委員会を設立し、Muskの対外的なコミュニケーションを監督する。
Musk本人とTesla はそれぞれ20百万ドルの罰金を支払う。合計40百万ドルは、裁判所が承認するやり方で被害を受けた投資家に配分する。
SECによると、Musk は8月7日のツイッター発言の時点で、Teslaを非公開にするための取引が不確かであり、多くの問題があることを知っていた。またどの相手方とも価格を含めた詳細を議論していなかった。このため、彼の発言は事実に基づいていなかった。Muskのミスリーディングな発言で8月7日に株価は上がり、市場を混乱させたとしている。
Teslaについては、MuskのツイートがTeslaがSECに届け出て開示すべき情報を含んでいるかどうかを決める手続きをもっておらず、また、ツイートが正確か完全かを判断することをしていなかったとした。
Elon Muskは会長職を辞めるが、引き続き CEO の役職にはとどまる。
SECと早期に和解することで、経営への打撃を抑える狙いとみられるが、司法省も刑事捜査を始めているほか、損失を被ったとする一部の投資家の間では集団訴訟を起こす動きが広がっており、問題はまだ解決していない。
New York 株式市場では、この問題が嫌気され、Tesla株は9月28日に前日比14%近く下落 した。
9月28日の終値ベースの時価総額はTeslaが約451億ドル、GMが475億ドルで、GMが1年5カ月ぶりに首位に返り咲いた。
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