これまでのCFIUSの審査対象は、安全保障に係るものと大統領が判断した買収に限られた。
今回、米国企業の買収を狙いとする取引に限らず、合弁会社設立や、米国の重要な技術やインフラ、個人情報に関わる少額の出資なども審査の対象とする。米政府施設に近い土地取得など不動産取引も含める。
中国が対米投資を通じて技術やノウハウを盗み出し、軍事技術に流用するのを食いとめたい考えだが、審査は外資すべてを対象としており、中国企業だけでなく、日本企業にも影響が出そうだ。2018/8/17 米、対米投資の審査対象拡大
米財務省は10月10日、8月に成立した新法に基づく外資による対米投資の規制の詳細を発表した。11月10日から実施する。ハイテク分野での覇権を狙う中国から先端技術を保護するのが狙い。
半導体や情報通信、軍事など27産業を規制対象に指定し、少額出資でも当局に事前申告を義務づける。
規制対象となる分野も航空エンジン・部品、アルミニウム精錬、石油化学などと細かく指定した。ナノテクノロジー(超微細技術)の研究開発や光学レンズ製造も対象になっている。 幅広い無機化学品も含まれている。
ANNEX A TO PART 801 --対象産業:具体的には北米産業分類システム(NAICS)コードで定義
規制対象となるのは、上記の対象分野で、外国人投資家が下記のことができる場合。航空機、
航空機エンジン・エンジン部品、
アルミナ精錬・アルミ、
ボール・ベアリング、
コンピュータ記憶デバイス、
コンピュータ、
誘導ミサイル・宇宙船、
誘導ミサイル・宇宙船製造装置、
装甲車・タンク・タンク部品、
原子力発電、
光学機械・レンズ、
その他基礎無機化学品 (NAICS Code: 325180) 、
その他の誘導ミサイル・宇宙船部品・備品、
石油化学品 、
粉末冶金部品、
電力・配電・変圧器、
一次電池、
ラジオ&TV放送・無線通信機器、
ナノテクR&D、
バイオ分野のR&D、
アルミの2次精錬・アロイ、
航空及び航海の探査・発見・誘導システムと機器、
セミコンダクターと関連機器、
セミコンダクター製造機器、
蓄電池、
電話用器具、
タービン・タービン発電セット
・ その企業が保有する重要な非公開情報にアクセスできること、
・ 取締役や類似のポジションに就く、
・ 重要な技術の使用、開発、取得、処分等の意思決定に参加すること
§ 801.302に対象を例示、§ 801.303に対象外を例示
規制対象は全ての外国人で、特定の国に限定しないとするが、中国が念頭にあるのは明らか。
規制の対象となる産業への対米投資が完了する45日前までにCFIUSに申告するよう外資企業に求める。これまでは事前申告を義務付けてはいなかった。
違反した場合には最大で予定していた取引額と同額の罰金(Civil monetary penalty up to the value of the transaction) を科す。
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