三菱商事、LNGカナダプロジェクトに最終投資決定

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三菱商事は10月2日、Shell、PETRONAS、PetroChina、韓国ガス公社 KOGASと共に、カナダ国ブリティッシュ・コロンビア州にて推進するLNGカナダプロジェクトに関する最終投資決定を行ったと発表した。

カナダ初の大型LNG事業となる。地理的にも日本に近いカナダに於いてアジアの主要LNG需要国と共に立ち上げる事業であり、日本を中心としたアジアの需要家にとって、カナダの豊富な天然ガスという新たなLNGの安定供給ソースが加わる。


本プロジェクトは年間1,400万トンの生産能力を持つ天然ガス液化設備を ブリティッシュ・コロンビア州キティマット
(バンクーバー北西650km)に建設し、2020年代中頃からアジアを中心にLNGを供給する事業となる。

原料ガスを独自に調達した上で、全長670kmのパイプラインを通じて天然ガス液化設備へ輸送し、産出されるLNGを持分比率に応じて引き取る。

天然ガス液化設備の総開発費は約140億米ドルを見込んでおり、三菱商事は持分比率である15%分の開発費を拠出し、LNG引取り(持分年間210万㌧)を行う。

付記 東京ガスは10月10日、このうち年間最大約60万トンを 2026年から13年間 購入する
基本合意書を締結したと発表した。日本への所要航海日数は10日程度。


また、三菱商事が石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じて日本政府より支援を受け、ブリティッシュ・コロンビア州でCutbank Ridge Partnershipを通じて開発を推進するMontney事業より原料ガスを供給することで、カナダにおいて上流事業から中流事業に亘る一貫した天然ガスバリューチェーンを構築する。


三菱商事と
カナダの天然ガス最大手のEncana Corporationは2012年2月、British ColumbiaのCutbank Ridgeの未開発の土地でのシェールガス開発(Montney事業)で提携したと発表した。


   2012/2/21 三菱商事がカナダのシェールガス開発に参加


本計画は、2012年に発表され、2016年に中断していた。計画内容は下記の通り。

2016/7 時点 今回
権益比率 シェル  50% 40%
三菱商事 15% 15%
Kogas  15% 5%
PetroChina 20% 15%
PETRONAS 25%
液化設備 600万トン/年x2=1,200万トン
将来2,400万トンに拡張可能性
700万トン×2=1,400万トン
生産開始 2020年代中頃
投資規模 120 億カナダ$  約140億米ドル

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2012年5月16日に、三菱商事、シェルカナダ、韓国ガス公社(Kogas)、PetroChinaのLNG輸出計画、「LNG Canada」構想が発表された。

2012/5/17 Shell、三菱商事等の「LNG Canada」計画 

カナダのNational Energy Board は2013年2月4日、この計画に輸出ライセンス (25年間で670百万トン) を与えた。

しかし、Shellは2016年7月12日、カナダ西海岸で進める大型のLNG Canada の最終的な投資決定の時期を、2016年末から無期限に遅らせると発表した。

予算の制約を含むグローバルな業界の課題から、最終の投資決定を行うのにもっと時間が必要との結論に達した。いつ最終決定をするかは現時点では言えないとする。
LNG Canada は魅力的なプロジェクトではあるが、Shellのグローバルな計画のなかで、他のプロジェクトに競合してやっていける必要があるとした。

LNG Canada のCEO は、世界の天然ガス価格の下落、特にアジアでの下落により、現時点では本計画は割高となった述べた。石油・ガス価格が回復することが必要とした。

2016/7/19 LNG Canada 計画、投資決定延期 


最近の価格状況は下記の通りで、Kitmatからの輸入は十分採算がとれるようになっており、再開を決めたと思われる。
(現状の輸入品は価格が原油価格ベーススライドで決められており、原油価格上昇で輸入価格も上がっている。カナダからの輸入品は比較的安定的な天然ガス市況スライドであり、十分競争力がある。)

Gulf Coastの場合、Henry Hub価格x1.15(口銭15%)+加工費3$+運賃3$、Kitmatの場合は、この数式で運賃を1.24$とした。

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