化学、流通を二大軸として、毎年平均10兆ウォンを継続的に投資し、事業競争力を強化するとともに、新たな成長動力を確保する。
50兆ウォンのうち35兆ウォン(70%)を韓国国内に投資する。スローダウンした経営活動を速やかに正常化するため、初年度となる来年には12兆ウォンを集中投資する。
サムスンの石油化学事業を買収した2016年の投資額である11兆2000億ウォンを上回る過去最高の投資規模となる。
投資が集中する部門は化学と建設で、投資規模全体の40%に相当する20兆ウォンが投じられる。化学分野に思い切った投資を行い、成長のけん引役とする。
流通部門と観光・サービス部門には、それぞれ25%を割り当てる。流通部門では、オンライン事業を拡大、人工知能(AI)やビッグデータなど新技術を活用し、顧客に新たな買い物体験を提供する。
観光・サービス部門では、国内外の拠点を拡大する。
食品への投資は全体の10%を占める。新製品の開発に拍車を掛ける。
ロッテはインドネシアに4兆ウォンを投資し、超大型のナフサ分解プラントの建設を進めているが、辛会長が収監された影響で、用地買収以降の進展がストップしていた。
2011/4/27 韓国ロッテグループの湖南石油化学、インドネシアでエチレンプラント建設へ
中断していた米国のエチレン計画を再開する。
米ルイジアナ州ではシェールガスに付随するエタンを分解し、エチレンを生産する。Lotte Chemicalが90%、Axiall Corp.が10%出資することとなっていた。
下記の通り、AxiallがWestlakeに買収されたため、計画を変更する。
2015/6/22 韓国 Lotte Chemical、米国で石油化学
ロッテケミカルは2016年6月、米同業中堅のAxiall Corp. に買収提案したと発表した。株式の取得総額は20億ドル前後になるとみられた。
Axiall Corp.は、2013年1月にGeorgia Gulf と PPG Industriesのcommodity chemical divisionと合併し、設立された。
ロッテは上記の通り、同社とのJVでエチレンを生産する計画であった。
Axiall はロッテが手薄なカセイソーダやVCMなどクロル・アルカリ系の原料に強く、顧客の大半が北米地域である。一方、ロッテはエチレンなどオレフィン系に強みがあり、事業の中心はアジア地域で、製品群や顧客基盤が重ならず、相乗効果が高い。
しかし、辛会長に対する捜査の影響で買収を断念、同様に買収意欲を示していたWestlakeが買収した。
ロッテは、「今後は積極的な合併・買収(M&A)を模索していく」と説明している。
韓国国内では麗水、蔚山、大山の各プラントで設備投資を行い、コスト競争力を高める。
辛会長が逮捕、収監されたことで8カ月にわたりストップしていた同社の投資はようやく再スタートする 。
辛会長は役員会議の席上、「不確実な未来、予測できない変化に先制的に対応しなければならない。困難な環境であればあるほど、積極的に投資に取り組む」と述べた。
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