Ineosは、2016年にJaguar Land Roverが生産をやめた Land Rover Defenderをモデルにオフロード車を生産する計画を進めている。
DefenderはLand Roverの神髄とされ、エリザベス女王が所有していることでも知られる。
英国で68年間生産が続けられていたLand Rover Defender、2016年に英Solihullにある工場で最後の生産を終えた。
これについて、Ford が同社の英国のBridgend工場を使うよう、Ineosと交渉していることが一斉に報じられた。
この工場ではJaguar Land Rover向けのエンジンを製造しており、1500名以上が雇用されているが、昨年9月にJaguar Land Roverが2020年に購入契約を終了すると通告した。Fordとしては他の自動車メーカー向けの供給を検討しているが、この工場のエンジンは同社の Dagenham 工場製よりコストが高いと報じられており、雇用の継続が懸念されている。
交渉は始まったばかりで、どうなるか不明である。特に、Brexit問題がどう決着するか分からず、場合によっては英国の生産では採算がとれないということにも成りかねない。
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車好きのIneosの会長 Jim Ratcliffeは、Land Rover Defender の生産停止を惜しみ、Ineosで生産することを決意した。
2016年に子会社 Ineos Automotive を設立、2017年2月13日に自動車生産に乗り出すと発表した。 Defenderを模した四輪駆動車の新モデルを年間2万5千台規模で生産する。6億ポンド(約914億円)を投資し、2020〜2021年の間に生産を開始する。
Ratcliffe会長は声明で「私は旧式Defenderのファンで、そのオフロードの能力には敬意を払ってきた」と述べた。
英国内が望ましいが、もし価格を抑えられるならば、ドイツなどすでに訓練された作業員のいる場所を利用することも選択肢だと述べた。
(この時点では、英国から補助金を得るための発言であった。Brexitの行方次第では、英国立地が難しくなる可能性がある。)
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Land Rover は、四輪駆動車を専門とする英国の自動車メーカーであったが、1986年からは Rover Group、1988年からはBritish Aerosp、1994年からはBMW親会社が変わった。BMWは2000年にLand Rover をFordに売却した。
Fordは、1989年に英国のJaguarを買収、1991年に買収した英国のAston Martin、1998年に買収したスウェーデンのVolvoと、Land Rover という4つのブランドをプレミアム・オートモーティブ・グループで運営した。
Ford は2008年3月に、JaguarとLand Rover をインドのTata Motorsに約23億ドルで売却した。
(Volvoは2010年に浙江吉利控股集団に18億ドルで売却された。Aston Martinは2007年に投資グループに売却された。)
Tata Motorsは現在もJaguarとLand Rover を経営している。Land Roverブランドのうち、オフロード車のDefenderの生産を停止した。
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