韓国の証券先物委員会、Samsung BioLogicsの粉飾を認定

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韓国の金融委員会の証券先物委員会は11月14日、韓国の医薬品受託製造大手のSamsung BioLogicsが傘下のSamsung Bioepisの企業価値を意図的に過大申告していたと指摘した。

会計規則を「故意」に破ったとの判断を示し、Samsung BioLogicsの外部監査法違反での検察告発と代表取締役の解任勧告、課徴金80億ウォン(約8億円)賦課などの制裁を議決した。
Samsung BioLogicsの株式取引は直ちに停止され、取引所は上場適格性の実質審査で、上場廃止の可否を決定する。

監査法人に対しては、重過失違反で課徴金1億7千万ウォン(約1700万円)を賦課し、Samsung BioLogicsに対する監査業務を5年間制限すると共に、会計士4人に対する職務停止を金融委員会に建議することにした。もう1社の会計法人については、過失違反でSamsung BioLogicsの監査業務を3年間制限することにした。

証券先物委員長は「Samsung BioLogicsがサムスン物産の子会社であるだけに、サムスン物産に対する監理も検討する」と述べた。

これに対し、Samsung BioLogicsは「証券先物委員会の決定に遺憾を表明し、行政訴訟を起こす」と発表した。

付記

韓国取引所は12月10日、サムスンバイオロジクスの上場維持を発表し、11日に株式売買が再開された。

証券先物委員会が先月の検察への告発を受け、同社の上場を維持または廃止に関する審査を進めていた。

韓国取引所は「企業の継続性、財務安定性、経営の透明性について総合的に検討した結果、一部不十分な点はあるものの、企業の継続性、財務安定性などを考慮し、上場を維持することにした」と明らかにした。

サムスンバイオの経営の透明性に対してのみ一部不十分な点があると指摘、サムスンバイオは、現在進行中の行政訴訟の結果と関係なく、監査機能および内部会計管理制度の強化などを内容とする改善計画を提出した。取引所は、今後3年間点検する予定。

これに対し、大規模な粉飾会計を行ったにもかかわらず、「投資家保護」を名分に上場廃止を免れたことをめぐり、見逃し決定ではないかとの指摘が出ている。

Samsung BioLogics は11月6日、同社の創薬子会社Samsung Bioepis に米製薬大手のBiogenが追加出資すると発表したばかりである。本年6月28日にオプションの権利を行使した。
11月7日に7595億ウォン(約676 百万ドル)を出資し、現在の5.4%からで「50%マイナス1株」とする。Samsung BioLogics は現在の94.6%から「50%プラス1株」となる。

今回の件で、Biogenはどうするのであろうか?

2018/11/13  Biogen、Samsung BioLogics 子会社に追加出資



態は下記の通り。

Samsung BioLogics は2011年12月、バイオシミラーの生産のため、米国のBiogen と合弁会社 Samsung Bioepis 設立の契約を締結した。 2012年2月に設立した。

出資比率はSamsung BioLogicsが85%、Biogen が15%であったが、Biogenは設立契約で 「50%マイナス1株」までの追加出資の権利を保有している。

しかし、Samsung BioLogicsはこのコールオプションの存在を2014年に初めて公表した。そしてBiogenがオプションを行使した場合、支配力が失われかねないとして、2015年にSamsung Bioepis を子会社から関係会社に変更した。

子会社から関係会社に変更する場合には、帳簿価格ではなく、市場価格で評価する。Samsung BioLogicsは2015年12月に、企業価値を3兆ウォン(約3000億円)と見積もりながら8兆ウォンと評価し、4兆8086億ウォン(約4800億円)の会計上の利益を得た。

Samsung BioLogics は2016年10月に株式公開(IPO)を控えていたが、債務超過の可能性があり、粉飾を行ったとみられる。

今回、証券先物委員会は、評価変更のうちの4兆5千億ウォン(約4500億円)を粉飾とみなした。

証券先物委員会は又、Samsung Bioepisに対するBiogenのコールオプションは、いわゆる「潜在的議決権」であり、Samsung BioLogicsSamsung Bioepis を設立時点から関係会社として評価すべきであったとしている。

しかし、その時点での「故意性」は認めず、「過失」とみなし、2014年の会計処理は粉飾であり、「重過失」とみなした。

本件については、一部の国会議員らはSamsung BioLogicsが上場審査に合格するために黒字を装った疑いを提起し、金融監督院は朴前大統領の失職後の2017年4月に、当時の会計処理を再審査する方針を示していた。

本年5月に粉飾疑惑が浮上し、Samsung BioLogicsのCFOは、当時の会計処理は「複数の大手会計事務所や金融監督院の審査を経て実行したもので適切だった」とし、粉飾を否定していた。

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2015年9月1日、第一毛織とサムスン物産(Samsung C&T)が合併し、新しいサムスン物産(Samsung C&T) とな り、Samsungグループ支配構造の事実上の持ち株会社となった。

これにより、財閥の中心の三星電子に対する李一族の支配権が強化される。

この合併について、朴政権が第一毛織とサムスン物産2社の大株主だった国民年金公団に対し、所管官庁の保健福祉省を通じて合併に賛成するよう圧力をかけた疑いがあるとされた。

2017/1/20 ソウル地裁、サムスン電子副会長の逮捕を認めず

サムスン電子の李在鎔副会長は、本件で朴槿恵前大統領の助力を求めて大統領の長年の知人の崔順実被告へ賄賂を渡したとの贈賄罪などに問われた。

韓国のソウル高裁は2018年2月5日、李在鎔被告に懲役2年6月、執行猶予4年の判決を言い渡した。懲役5年の実刑としたソウル地裁の判決を変更した。李被告は釈放された。

2017/12/30 サムスン副会長の控訴審、検察側12年求刑

検察側は最高裁に上告している。

証券先物委員会の告発による検察捜査では、副会長の粉飾会計の指示の有無なども明らかになる。その場合、今後の最高裁審理で李副会長に不利な心証を判事に与える可能性がある。


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