SoftBank Vision Fund は、屋外からの熱や日差しの量を自動的に調節する「Dynamic Glass」を製造するView Inc.に11億ドルを投じる。
Fundにはサウジアラビアの政府系ファンドが450億ドル出資しており、同国出身ジャーナリストの殺害事件を巡ってサウジが国際的な非難を招いた後では最初の大型投資となる。
Dynamic Glassは、従来のガラスと違って、屋外の環境やユーザー設定(モバイルデバイスからの情報)に応答して、自動的に色合いを調整する。
シャッターやシェード、ブラインドが不要になり、自然光と視界を妨げることなく、熱と眩しさを削減することで、居住者の快適性を高め、省エネを実現する。
Dynamic Glassの製品価格は通常のガラスの約4倍だが、冷暖房空調および照明エネルギー消費は20%減、冷暖房空調の最大負荷は25%減になる。
同社CEOは、「窓はこれまで変化しない静止した物体だった。われわれは窓を初めてデジタル化している」と語った。
外光の強さにより、色合いのレベルを 1~4 に調整できる。
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同社はこうした新しいタイプのガラスの開発に約10年をかけ、この2、3年間に空港や病院、オフィスビルへの販売が伸びている。
大口顧客にはダラス・フォートワース国際空港があり、同空港は窓ガラスによってターミナル内を涼しい状態に維持できている。
2012年に大規模生産を開始して以来、ミシシッピ州Olive Branchの製造施設において、急ピッチで出荷を行なっている。
すでに北米地区で100以上の施設等で導入されており、さらに新たに企業のオフィスビル、医療機関、官庁、高等教育機関、ホテル・レストランなど100の施設で導入が進められている。
2013年6月には、Corningとの間で、Dynamic Glass 拡販に向け、両社の能力を活用する戦略的開発契約を締結した。
これまでも、CorningやNZ Super Fund、Madrone Capital Partners などから資金を調達しているが、今回の資金は、製品開発の継続、製造設備の拡大、および営業と流通と、マーケティング努力に充てられる。
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SoftBank Vision Fundの概要(2017年12月31日現在)
2017/5/25 ソフトバンクの「10兆円ファンド」発足
出資総額 | 917億米ドル(うちソフトバンク 281億米ドル) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
パートナー | ソフトバンク Public Investment Fund(サウジ) Mubadala Investment(アブダビ) Apple、Foxconn Technology、Qualcomm、シャープ |
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アドバイザリー会社 | ソフトバンク100%子会社(日・米) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
運営会社 | ソフトバンク100%子会社(英国) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
投資期間 | 最終クロージングから5年後まで(原則) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
存続期間 | 最終クロージングから12年後まで(原則) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
主な投資先 |
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