財政部関税局は今回の関税調整計画による輸入関税引き下げについて、習近平国家主席が11月に上海市で開かれた「中国国際輸入博覧会」の開幕式の演説で示した対外開放拡大の方針に沿ったものだと説明した。
習主席は演説の中で、関税引き下げなどを通じて今後15年間で中国のモノの輸入は30兆米ドル以上になるとの見通しを語っていた。
1) 2019年1月1日より、自動車生産ライン向け産業ロボットなど706品目で現行の最恵国税率よりも低い暫定税率が適用される。
税率引き下げ は菜種かすや医薬品原料、石油製品、毛皮、航空機エンジン、ウランなど多岐にわたる。
中国は7月に米国産大豆に25%の追加関税を発動し、輸入が実質的に停止した。(12月に一部再開したが、関税は変わらず。)この結果、家畜の飼料に使われる大豆かすも影響を受け、価格が上がっている。このため、家畜飼料用のヒマワリや菜種を含むミール(かす)の輸入関税を廃止する。代替品の輸入を増やし、農家の負担を軽減するのが狙いとみられる。
一部医薬品の原材料に対する輸入関税も撤廃される。
粉ミルクの関税を12%からゼロにするほか、ウイスキーは10%から5%に、ディーゼル油は6%から1%に引き下げる。国内航空機産業の発展を促すため、航空機エンジンの関税率は1%と、低い水準に維持するとした。 自動車の組み立てラインで使われる溶接ロボットは5%に下げる。
附1 进口商品暂定税率表.pdf (#がついているものは、7月からも引き下げ)
2019年7月からは電子・IT製品に対する通算4回目の減税も実施する。医療診断装置やスピーカー、プリンターなど幅広く、298品目が対象となる。
2) 関税割当
小麦、羊毛等の8品目については、引き続き関税割り当てを続ける。税率は変えない。
3) FTA締結国からの輸入
FTAとAsia-Pacific Trade Agreement 締結国からの輸入関税も引き下げられる。
New Zealand、Peru、Costa Rica、Switzerland、Iceland、South Korea、Australia、Georgia 及びAsia-Pacific Trade Agreement 締結国
香港、マカオ両特別行政区政府と結ぶ経済・貿易関係緊密化協定(CEPA)の枠組みによるゼロ関税品目も拡大する。
4) 輸出税
輸出関税も94品目を対象に1月1日から撤廃する。品目は化学肥料、燐灰石、鉄鉱砂、スラグ、コールタール、木材パルプなど。
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