カタール、OPEC脱退へ

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Qatar は12月3日、石油輸出国機構(OPEC)に対し、2019年1月に脱退する方針を伝えた。

エネルギー相は記者会見で、天然ガスを中心とする産業の発展に集中するためだと説明した。

エネルギー相は「原油より大きな潜在力がある天然ガスに力を注ぎたい」と強調した。

エネルギー相はOPEC脱退について「テクニカル」なもの(「何か思惑があるわけではない」の意味)であり、天然ガスの生産に集中する方針だと述べた。

しかし一方で、脱退後はOPECの合意に拘束されないと言明した。

また、「OPECは一国によって管理されている」と指摘し、サウジを暗に批判した。


現在、原油安が急ピッチで進んでいる。

OPECは12月6日のウィーンでの総会で減産を決め、翌7日にロシアなど非加盟国と協調減産を続けることで合意するシナリオを描いている。

Qatar がOPEC脱退後はOPECの合意に拘束されないと言明したことは、同国が脱退後に増産に動き、原油価格を支えるための努力が損なわれる可能性があることを意味し、OPECの価格支配力が一段と低下し、原油価格の波乱要因になる。

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Qatar の石油生産量は少なく、2017年1月実施の生産枠は日量618千バレルにとどまっている。

他方、世界の1割強を占める埋蔵量を持つ巨大なガス田を域内に抱え、LNGの最大輸出国である。日本もQatar から大量のLNGを輸入している。

LNGの生産量が年間7700万トンに達しているが、2024年までに1億1000万トンに拡大する方針。

エネルギー相はOPEC脱退について「テクニカル」なものであり、天然ガスの生産に集中する方針だと述べた。

しかし一方で、脱退後はOPECの合意に拘束されないと言明した。また、「OPECは一国によって管理されている」と指摘し、サウジを暗に批判した。

今回の離脱発表は、サウジアラビアとの政治的対立も影響したと見られる。

2017年6月5日、サウジアラビアを中心としたペルシャ湾岸諸国(サウジアラビア 、UAE、バーレーン)とアフリカ大陸にあるイスラム国家の一部(エジプト、イエメン、モルディブ)は、Qatarに対して国交断絶を表明した。

断交理由には、サウジアラビアと対立するイランへの過度な接近やムスリム同胞団への支援を挙げている。

ムスリム同胞団については、エジプトが2013年に、サウジアラビアが2014年にテロ組織に指定している。

Qatar外相は「事実無根。決して降伏しない」と表明し、対抗姿勢を打ち出した。

その後、サウジアラビア、UAE、バーレーン、エジプトの4カ国は、Qatarに対し13項目にわたる要求を送付した。

要求の中には、アルジャジーラの閉鎖、カタール国内に存在するトルコ軍基地の停止、イランとの外交関係の縮小、過激派組織との関係断絶など があると報じられた。

Qatarはこれらの要求を拒否したうえで、各種の対抗措置をとった。

経済制裁が違法だとしてWTOに提訴するとともに、禁輸となった物資の輸入先をオマーンやインド、イラン、トルコへ切り替え。
LNGの年間生産量を従来の7700万トンから1億トンへ増やす計画を発表 。
欧米から戦闘機やコルベットを購入するとともに、トルコ軍と合同軍事演習を実施。

2018年4月、サウジアラビアがQatarとの国境線沿いに運河を建設する構想が報道された。 報道では、サウジアラビアは全長60キロに及ぶ国境沿いに軍事基地と核廃棄物処理場幅約200メートルの運河を建設し、Qatarを物理的にも孤立させるという。

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