サムスン電子が中国天津にあるスマートフォン生産法人の閉鎖を決めた。
サムスン電子は12月12日、今月末で中国・天津工場の稼働を中断すると発表した。11日に天津工場の従業員約2000人を対象に稼動中断に関する説明会を開いた。天津工場の従業員の退職補償、再就職支援などについて、協議を継続する予定。
ケース、カメラモジュール、回路基板などを生産する協力会社の生産施設撤収も相次ぐとみられる。
サムスン電子は、中国国内で天津工場と広東省の恵州工場をスマートフォンの生産拠点としている。
同社は中国のスマートフォン市場で2014年までは10%台のシェアで首位を守っていた。
しかし、2015年からは、華為(Huawei)、OPPO、VIVO、小米(Xiaomi)など中国メーカーに押され、本年7-9月期にはシェアが0.7%まで低下した。
小辣椒(Xiaolajiao)、SUGAR、CMCCなどの中小ブランドにも敗れ、全体順位は11位に落ち込んだ。
四半期ベースで2000万台に達していた販売台数は、本年7-9月期には天津・恵州工場2カ所を合わせてわずか70万台にまで落ち込んだ。
サムスン電子は恵州工場をそのまま維持すると明らかにしたが、中国と業界ではこれについても閉鎖また事業縮小をする可能性があると予測している。
サムスン電子は現在、韓国の亀尾をはじめ、ベトナム、インド、ブラジル、インドネシア、中国にスマートフォン工場を置いている。
天津工場の閉鎖で、ベトナムやインドでスマートフォンを生産する「脱中国」化が加速する。
サムスン電子のスマートフォン生産はすでにベトナム法人が製造の中枢の役割をしている。
バクニンやタイグエンにある生産法人は年間3億台以上のスマートフォンを生産できる能力を備えている。ここでの雇用者数は10万人以上で、今年上半期の売上高は約2兆3700億円にのぼる。
また、7月に完工したインドのノイダ工場も1億2000万台以上の携帯電話製造が可能という。
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